ご幼少のみぎりの髑髏

 頼朝も最初もぉ嫌がってたんや。今さらそんな兵挙げてね、攻めて勝てる
や負けるや分らん、面倒くさい。ところが、文覚上人、切り札としてお父さ
まの源義朝の頭蓋骨をそれへズボッと出して「さぞ、お父上は無念でござい
ましたでしょ〜」

 それ見るなり頼朝が「ん、骨のあるやつ」洒落ておりますな「髑髏(しゃ
れこぉべ)」どこまでいくねん。でも、なんか見たらお父っつぁんのより小
(ち)っこかったらしぃ、疑問に思った頼朝「どぉも父上のにしたらちょっと
小っさいのんとちゃう?」すると文覚上人答えていわく「それはお父上さま
の子どもの頃のもの」

【上方落語メモ第5集】その224 / 袈裟御前


元になった話は『平家物語』にある源義朝の髑髏。

平家物語』巻5「福原院宣」  伊豆に流された文覚が、源頼朝に平家討伐の挙兵を勧め、懐から髑髏を取り出して見せる。文覚は「これこそ父君義朝公の頭。平治の乱の後、苔の下に埋もれていたのを、獄舎の番人から貰い受けた」と言う〔*巻12「紺掻之沙汰」で、これは義朝の頭ではなかったことが明かされる〕。

【髑髏】(物語要素事典)


ところが、源頼朝ご幼少のみぎりの髑髏もある。

「あの鎌倉幕府を興した、源頼朝公のガイコツだよー!」
「偽物ですな、これ…」
「どうしてです?」
「だって、川柳にもあるじゃないですか。頼朝って、大頭だったんでしょう?」

【 拝領の 頭巾を梶原 縫い縮め 】

「これ、どう見ても小さいですよね?」
「フェ!? ウ…あぁ、これは幼少のみぎりの骸骨でして…」

蝦蟇の油 (落語) - Wikipedia


親子で子供の頃の頭蓋骨があるなんて…


で、これを書くきっかけになったのは、源義経の子供の頃の頭蓋骨という話をネットで見たから。これが、義朝・頼朝の話が誤って伝わったものなのか、それとも義経の話も存在するのか知りたかったのだけど、今のところわからない。


ついでに、それを調べていたら、ナポレオンの子供の頃の頭蓋骨も気になってきた。一応前から知ってはいたけれど、これも詳細がわからない。英語のグーグル先生に聞いてみると、『Hellzapoppin (1941)』という映画があるよと教えてくれた。

Olsen displays an item he says is Napoleon’s skull. (Olsen and Johnson had a thing about Napoleon.) In response, Johnson counters with a small skull, which he says is “the skull of Napoleon when he was a child.”

Hellzapoppin (1941) (Ferdy on Films, etc.)


日本の小噺とまったく同じだ!これは一体どういうことなんだろう?


で、さらに調べていると、

 イタリア人が世紀の大発見。なんとカエサルの骨を発見したのだ。
 発表会で学者は並んだ頭蓋骨を一つ一つ説明した。
「これはカエサル3才の頃の頭蓋骨、
 これはカエサルルビコンを渡った時の頭蓋骨
 そしてコレが極めつけ、ブルータスに殺されたときの頭蓋骨です。」

世界史系ジョーク集まとめサイト


カエサル、お前もか!


お手上げ。