呉座勇一氏について(4)

Twitterに書いたことをまとめて一部加筆修正した

(これも呉座騒動が起きる約一か月前に書いたもの)

 

 

前に歴史系で「集合知」が話題になった記憶がある。素人が知恵を出し合ってみたいな話。ただそもそも「集合知」とは何か?それって語感から集合知って言ってるだけで本来の集合知とは違うんじゃね?と思った。全く違うかっていうと微妙なところもあるけど。

 

集合知」には「集団的知性:Collective Intelligence」と「群衆の知恵:Wisdom of Crowds」との二種類あると。上の例は「集団的知性」の方だな。俺が「集合知」を知ったのは後者の方。

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後者の「群衆の知恵」の有名な話は瓶の中のジェリービーンズの数を当てるというやつで、56人の学生の推定値を平均したら871個で正解の850個に近く、かつ個人でみればそれより近い答えを出したのはたった1人だったという話。

 

歴史研究でこの「群衆の知恵」が発揮されてるのは、素人の方でなくて、むしろ専門家の方だと思う。専門家といっても個別にみれば結構トンデモなこと言ってることがある。けれど「集合知」で見れば、つまり「学界の意見」ということで見れば、まあまあ妥当なところに収まるケースが多いという意味で。

 

世間じゃトンデモなことを言うのは素人のトンデモ研究家だけだろと思ってる人がいるかもしれないけれども、専門家だってトンデモなこと言ってることは多いと俺は認識してる。そりゃ本郷先生のような例外もいるだろというレベルじゃなくて、もっともっと広く。

 

もちろん「集合知」でみれば専門家の意見は、素人の意見よりも格段に優れている。けれども個別にみた場合は並の素人トンデモ研究家よりもぶっとんでる場合だってある

 

トンデモ研究家批判で、専門家と素人の違いみたいなので説教してるの良くみるけど、それ〇〇先生にも言ってあげたら?とか思ったりすることもある。

 

そもそもこれも何度か書いたけど、あの先生の、鵯越の逆落としが日本軍の奇襲の云々がハイレベルのトンデモでしょう。

 

※ 「鵯越の逆落としが日本軍の奇襲の云々」というのは、非常に評判になったこの記事に書かれていること。これについては別の記事に書く予定。

 

 「例えば、太平洋戦争。日本軍が奇襲を多用した背景の一つに、源義経一ノ谷の戦いで見せた(断崖絶壁を馬で駆け下り、敵陣の背後を急襲した)『鵯越の逆落とし』があったと言われます。「『義経は奇襲で平家の大軍に勝った。だからわれわれも、奇襲でアメリカに勝てる!』と思ったわけです」

 

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