さらに引き続きみずほ証券の大チョンボについて

ジェイコム株(2462)誤発注問題を徹底追及!!!
http://blog.livedoor.jp/kabujiken/
 さんの記事に載っている画像(本物であることはほぼ間違いない)を見て、やっと状況がつかめてきました。とても貴重な情報ありがとうございました。 これを見てわかることは、みずほ証券の大失態の中でも最大の大失態は、「誤注文を流したことではなく、取り消しをしなかったこと」であることは明らかです。それについて詳しく書きたいと思います。

前場取引開始直後の状況

 これから書くことは、
ジェイコム株(2462)誤発注問題を徹底追及!!!http://blog.livedoor.jp/kabujiken/
 の情報を元にしています。

 まず午前9:00、前場の取引開始直後の板状況。(参考リンク

 96万円で売り買いが合致しています。もう少し詳しく書くと、96万円以上で買いの注文をした数量と、96万円以下の売り注文の数量が一致しているということです。この後、注文が一つもなければ、初値が96万円で寄り付くことになりますが、公募価格が61万円ですので、しばらくは「買い気配」になり、気配値が上昇し、その間に売り買いの注文が追加され、数量が合致したところで寄り付くことになります。ちなみに記事にあるように、事前の初値予想も90万円〜100万円であったそうです。

9時27分寄り付き直前の状況

参考リンク
 初値67万2000円が付く直前の状況です。リンク先を見ればわかるように、買いが1776株、売りが737株の特別買気配になっています。差し引き1039株買いが上回っています。この時、67万2000円以下の売りが1039株以上出されれば67万2000円で寄り付くことになります。

9時28分寄り付き直後の状況

参考リンク
 参考リンクの画像は「09時28分00秒」となっています。ちなみに報道では、
みずほ証券、大量の誤発注 「1株61万円」→「61万株1円」(産経新聞)

このため、ジェイコム株は、初めて売買が成立した午前九時二十七分前後に大量の売り注文が確認され、同三十分には一日での値幅下限いっぱいとなる五十七万二千円まで急落。

 とあるところです。

 出来高1776株です。これは直前の買い数量と一致しています。その時差し引き1039株買いが上回っていたので、みずほ証券の売り61万株のうち、1039株が、ここで約定されたと思われます。ということは、売れ残った数量は60万8961株ということになります。

 ここで、67万2000円以下の買い注文にも注目してください。ここで見ることができるのは、65万1000円までですが、合わせてたったの8株しかありません。
 (ちなみに昨日書いたように、報道だけでは、みずほ証券の売りで寄り付いたのか、寄り付いた後にみずほ証券の売りが出たのか不明だったのですが、前者であることは、まず間違いありません。)

9時30分ストップ安直前の気配状況

参考リンク
 わずか2分ちょっとで、ストップ安57万2000円まで気配を下げました。
 この時の出来高は6330株です。寄り付き直前の67万2000円の売り数量は737株で、これは誤注文以外の約定で、その後も売り注文があったでしょうが、板状況を見るにそれほど多くあったとも思えず、6330-737=5593株のうち、ほぼ全てが。みずほ証券の約定であろうと思われます。寄り付き直後、わずかな買い注文しかなかったはずなのに、6330-1776=4554株の買いがあったということは、この短時間の間にも買い向った人達がいたことになります。
 ところで、みずほ証券側が誤注文に気づいて最初の取り消しを試みたのは、注文から「1分25秒後」といわれているので、この時点で取り消しが成功していれば、すでに「大大大チョンボ」であることはあるのだけれど、ジェイコムの発行済み株式数1万4500株以内であるので、その後に起きる「大大大大々々…チョンボ」は防げたことになります。
 ちなみに、板を見ると、58万円で2株、60万円で1株というように、指値の売り注文がわずかながらありますが、ジェイコムの急激な値下がりを見て、あわてて売りに出てしまった、かわいそうな人がいたと考えられます。

9時30分44秒ストップ安

参考リンク
 ついに、これ以上は下がらない57万2000円のストップ安となりました。出来高8479株。ストップ安での売数量602392株ほぼ全てがみずほ証券の売りでしょう。もはや一刻の猶予もありません。時間がたてばたつほど、この異様な状況をかぎつけられてしまいます。一体何をやっているんだ?みずほ証券!!今これを見ているだけでも心臓がバクバクします。

9時37分反対売買直前

参考リンク
 9時37分。注文が出てから約10分、ストップ安になってからすでに約6分20秒も経過しています。驚いたことに、まだ売り注文が取り消されていません。
 出来高14万3937株。ストップ安をつけたときの出来高が8479株ですから、この間およそ13万5000株売れてしまったことになります。ジェイコムの発行済み株式数1万4500株のおよそ10倍の商いが成立してしまいました。異常すぎです。
 俺は以前の記事で「わずか10分」と書きましたが、これを見ると10分、誤入力に気づいてからでも約8分以上の時間がありながら、なぜ取り消しができなかったのか非常に不可解な気持ちになります。

 ところで、この板を見ると、57万4000円で5株、57万5000円で25株、57万6000円で5株というように指値での売り注文が増えています。急落にあせって売りに出したのでしょうか?公募価格61万円以下です。悲しみを誘います。

9時37分10秒反対売買

参考リンク
 ついに、みずほ証券が動きました。いや本当は、その間もボンヤリしていたはずもなく、社内はしっちゃかめっちゃかだったでしょう。報道では3回取り消しを試みたとのことです。しかしむなしくもそれは叶わず、最終的な手段に出ました。
 参考リンクにもあるように、この時の約定数量は467137株です。買い残り数量から察するに、やはり記事にあるように48万株の買いを入れたのでしょう。なぜ48万株かというと、注文を出した時点の売り数量が48万株だったのでしょう。そのわずか推定数秒の時間でも14241株が買い残ったということに、この時の状況がいかにすさまじかったかを推測できるというものです。
 ところで、この時の約定数量は467137株ですが、それより前、みずほ証券は注文取消し作業に集中していたわけで、市場で買ったとは考えられませんから、この時点で61万株-467137株=14万2863株が売れてしまったことになります。これを買い戻さなければなりません。(ただし、この騒動で一儲けしようとして、みずほ証券のディーラーが、まさか自社のチョンボだとは露知らずに買い漁っていたという可能性もなくはありません。そうだとしたら多少は相殺されるでしょう。)

9:43:47ストップ高直前

参考リンク
 (参考リンクの画像が違うようです。この間99050株の出来高があったそうですが計算が合いません。あとで問い合わせてみます。)
(9/12追記:訂正されました)(参考リンク

 売り方は、もちろん公募で入手した分も多少はあるでしょうが、大半は当日買って利益を確定しようとした分であることは明らかです。しかし、誤注文を察して一般投資家も買いを入れているでしょうから、みずほ証券がどれだけ買い戻すことができたのかは定かではありません。

大引け

参考リンク
 ストップ高77万2000円でこの日の取引は終了しました。出来高は70万8124株(リンク先の板の出来高707216+9売り数量908=708124。報道と合致)
 みずほ証券の反対売買時点での出来高は61万1074株。差し引き9万7050株。全てが、みずほ証券の買いだったとしても、142863-97050=4万5813株足りません。
 もちろん全てがみずほ証券の買いだったとは思えませんから、
4万株以上の買い戻しが必要か=ジェイコム株の誤発注問題―みずほ証券(時事通信)

同日の市場での売買動向からみて、みずほ証券が同日中に買い戻せた株数は最大でも56万株程度にとどまり、今後少なくとも4万株以上を買い戻す必要があることが分かった。 

 というのは、このことを指すのだと思われ、この4万株という数字は、「非現実的」な数字であり、実際はそれを大きく上回るものと思われます。

 ちなみに、みずほ証券は「270億」という数字を出しています。この数字の根拠が不明だったのですが、この板情報を見ると、みずほ証券の売りの内、46万7137株がストップ安57万2000円での売り約定であり、ストップ高77万2000円との差額20万円であることから、270億÷20万=13万5000株が一つの目安になりそうであり、
<ジェイコム株>単純ミスで大損失 東証「安全装置」なく(毎日新聞)

みずほ証券の福田真社長は8日の会見で「誤って出した売り注文61万株については、売った先から市場でほとんど買い戻せた」と強調した。しかし、引き続き開かれた東証の会見で天野富夫常務が「大きな影響のある数だと認識している」と発言するなど食い違いを見せており、市場では13万株(2割)程度が買い残しとみられている。

 の「13万株」の根拠はここからきていると思われます。仮に13万株の買い残しがあるとすると、株が10万円値上がりすれば、130億円の損失が上乗せされることになります。