「デンシンボウ」の謎

 岐阜地裁裁判員裁判で9日、男性裁判官(29)が、被告が使った「デンシンボウ」という方言が理解できずに、問いただす場面があった。判決後の記者会見に応じた裁判員2人は「もちろん知っている。転勤に次ぐ転勤で知らなかったんでしょう。こちらの方言ですから」と裁判官を気遣った。司法大観によると、裁判官は九州出身。

 傍聴席からは「なんで分からないんだろう」と、ひそひそ話す声が聞こえた。

asahi.com(朝日新聞社):「デンシンボウ」知らぬは裁判官だけ 法廷で問いただす - 社会


電柱を「デンシンボウ」と呼ぶ地域があることを、この記事で初めて知った。


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にはこの記事に対するツッコミが多数。ただし、これは全国版の記事ではなくて、朝日新聞の岐阜版の記事であろうと思われ、読者は岐阜県民であることを考慮しなければならない。


で、それを前提とした上での疑問。岐阜県では、電柱を「デンシンボウ」と呼ぶことがスタンダードなのか?

 岐阜大の山田敏弘准教授(日本語学)によると、「電信棒」は東海・関西地方などで使われている方言だという。(贄川俊)

「使われている」だけでは、岐阜県民のほとんどがそれを使っているのか、一部地域で使っているだけなのかがわからない。岐阜県は日本で7番目に大きい都道府県であり、地域差が相当ありそうに思うのだが。記事からは「岐阜県民なら知ってて当たり前」のような雰囲気が漂っているが、そうなのだろうか?


ちなみにこれを書いた記者の名前で検索すると、この人、去年は秋田にいたらしい(同姓同名の人物が東大の大学院の論文にも見えるので東京にもいたかも)。記者自身が裁判官と同じく転勤族の可能性大。自身の経験と重ねあわせた可能性も。


(追記)
ところで、これに関連して「電信柱」はNTTの管轄で、「電柱」は電力会社の管轄みたいなのを見かけたのだが、本当かいな?

電柱には電力会社が送電・配電を目的に設置する電力柱(でんりょくちゅう)、通信会社が通信用ケーブルを支持することを目的に設置する電信柱(でんしんばしら)、共用の共用柱(きょうようちゅう)(←共架とも言う)などがある。

今日では電線や電話線の支持用としての印象が強いが、初期には電気通信用の電線の支持用に日本全国に普及したことから電信柱と呼ばれることも多い。地方によっては電信棒(でんしんぼう)とも呼ばれる。

電柱 - Wikipedia

知らなかった。