朝日の記事は事実と異なる(その2)

引き続き、今日の朝刊から。

議論の場から離れることを一時も許さない「ネット右翼」だ。
 数年前からネット上で使われだした言葉だ。自分にとって相いれない考えに、投稿や書き込みを繰り返す人々を指す。右翼的な考えに基づく意見がほとんどなので、そう呼ばれるようになった。
 小倉さんはたまらず、対談を呼びかけた。
「カミングアウトしてくださる方を求む」

これもまた事実と異なります。


カミングアウトして下さる方を求む(2005年02月10日)
http://blog.goo.ne.jp/hwj-ogura/e/7ab6e31d926c63c38e5a80fd72321fa8


確かに小倉弁護士は、「ネット右翼」に呼びかけていますが、小倉弁護士のブログにコメントを書き込んでいる人を「ネット右翼」だとは書いていません。(注:その後、言及したかもしれませんが、全てをチェックしているわけではありません。少なくともここではそう書いてはいません。)

このエントリーで小倉弁護士は、「ネット右翼」について、

 ところで、少し前くらいから「ネット右翼」というテクニカルタームが日本のインターネット事情を語る上ではしばしば用いられます。そのサブカテゴリーとしては、様々な「嫌○○厨」と呼ばれる(○○の中にはそれぞれの集団が忌み嫌う対象が入る。)グループがいるようです。「ネット右翼」と「ネットを活用する右翼」とは私的にはちょっとずれがあるような気がするのですが、その違いを私はまだ言語化出来ていません。

と、書いています。
要約すれば、最近、「ネット右翼」という用語をよく聞くけど、それは一体どんな人達なんだろう?ってことです。それで、

 最近の一連の騒動の関係でこのblogを巡回対象に入れて下さった「ネット右翼」の方々も少なからずおられるでしょうから、折角のよい機会ですので、どなたかカミングアウトして「ネット右翼」の代表として様々な場で語って頂けないでしょうか。

と呼びかけたのです。
『blogを巡回対象に入れて下さった「ネット右翼」の方々』
と書いてあるのであって、
『コメント欄で私を攻撃している「ネット右翼」の方々』
とは書いていません。


ただし、小倉弁護士のエントリーの書き方が問題で、その前に、自分が「言ってもいないことで批判される」などと書いているものですから、小倉弁護士のブログのコメント欄に書き込んでいる人が「ネット右翼」であると言っているような印象を与えています。また、

どういう性別の、どういう世代の、どういう経歴の方が、何をきっかけに、何を目的として活動をしているのか、ネット上での「政治活動」にどれくらいの時間を使い、それ以外の時間は何をしているのか、スポンサーはいるのか全くのボランティアなのか、「ネット右翼」同士ではどのような交流があるのか、家族や友人は自分が「ネット右翼」として活動をしていることを知っているのか、知っているとしたらどう思っているのか等基本的なことを私たちは全く存じ上げていません。

と書いていますが、「全く存じ上げていません」としながらも、すでにここにある程度の「決め付け」が含まれていると思われます。
また、「ネット右翼」という用語は、今でも一般に使われているとは思えませんが、当時、この用語を使う人間は、「左翼」、しかも「左翼」の中でも一部の特殊な人達であったと思われ、かなり突飛な印象を与えました。
それについて書くのが本題ではないので詳しくは書きませんが、それが読者の反発を呼んだのは確かでしょう。


それはともかく、裏読みすればいろいろなことが考えられますけど、少なくとも表向き、この時点では、小倉弁護士は、自分が「ネット右翼」の攻撃を受けているなどとは書いていません。


ということは、

議論の場から離れることを一時も許さない「ネット右翼」だ。

というのは、「朝日新聞の記者の思い込み」でしかありません。


そして、

 小倉さんはたまらず、対談を呼びかけた。
「カミングアウトしてくださる方を求む」

とありますが、小倉弁護士のエントリーを読む限りでは、
ネット右翼」という用語があるが、それがどういう人達なのか確かめたいので、もし読者の中に「ネット右翼」がいるなら名乗り出て欲しい。
という以上の意味を読み取ることができません。


事実と全く異なります。