杜子春(今日聞いたポッドキャスティング)

芥川龍之介『杜子春』 朗読:大塚明夫(きみきみ名作文庫)


杜子春』は中学の教科書に載っていた。めちゃ懐かしい。


芥川龍之介 杜子春(青空文庫)

「ではおれが好いことを一つ教へてやらう。今この夕日の中に立つて、お前の影が地に映つたら、その頭に当る所を夜中に掘つて見るが好い。きつと車に一ぱいの黄金が埋まつてゐる筈だから。」


これは「朝日夕日伝説」ですね。


「朝日さす夕日輝く」(google検索)


杜子春に黄金のありかを教えたのは「片目眇(すがめ)の老人」。日本各地に伝わる「片目伝説」が金属と関係あるというのはよく知られていること。この老人の名前が「鉄冠子(てつかんし)」で、名前に「鉄」が入っているのも興味深い。


「原作は中国の古典、鄭還古の杜子春伝」(ウィキペディア)


隻眼(ウィキペディア)

一般的には、鍛冶の神と隻眼との関連は洋の東西を問わない、と言われているが、実際は日本(天目一箇神)とギリシアキュクロプス)に例があるのみである。

とある。で、中国の原作にもそのような記述があるのか調べてみたのだけど、どうやら「片目」「夕日」「鉄冠子」の部分は芥川のオリジナルらしい。