『杜子春』は中学の教科書に載っていた。めちゃ懐かしい。
「ではおれが好いことを一つ教へてやらう。今この夕日の中に立つて、お前の影が地に映つたら、その頭に当る所を夜中に掘つて見るが好い。きつと車に一ぱいの黄金が埋まつてゐる筈だから。」
これは「朝日夕日伝説」ですね。
杜子春に黄金のありかを教えたのは「片目眇(すがめ)の老人」。日本各地に伝わる「片目伝説」が金属と関係あるというのはよく知られていること。この老人の名前が「鉄冠子(てつかんし)」で、名前に「鉄」が入っているのも興味深い。
一般的には、鍛冶の神と隻眼との関連は洋の東西を問わない、と言われているが、実際は日本(天目一箇神)とギリシア(キュクロプス)に例があるのみである。
とある。で、中国の原作にもそのような記述があるのか調べてみたのだけど、どうやら「片目」「夕日」「鉄冠子」の部分は芥川のオリジナルらしい。