竜の骨

ドラゴンスープ? 中国河南省の住民が貴重な恐竜の化石を食用に利用(Technobahn)

【Technobahn 2007/7/5 14:50】中国河南省の住民が地元で掘り出された恐竜の化石を使ってスープを作って食したり、すり潰して薬剤として利用する行為を数十年前から続けていたことが、中国科学院 (Institute of Vertebrate Paleontology and Paleoanthropology of the Chinese Academy of Sciences)の董枝明(Dong Zhiming)教授の調査により4日、明らかとなった。

調査を行った董教授は「地元民は恐竜の化石を『竜の骨』だと信じ込んでいるようだ」 と述べている。

というニュースだが、


竜骨ウィキペディア

竜骨(りゅうこつ)とは、生薬の一種で大型の哺乳類の骨の化石のことである。龍骨とも書く。中には恐竜の化石も含まれ、これが竜伝説となったと考える一般人もいるが、 中国の竜像は、中東の竜の原型となる豊穣神がシルクロードを渡って伝播したものと解釈するのが常識である。

医薬品として日本薬局方に掲載されている生薬で鎮静作用、収斂作用がある。成分は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどである。竜骨は、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅこつぼれいとう)などの漢方薬に配合される。

というわけで、「竜骨」は大昔から中国で食されてきました。のみならず日本でも漢方薬として食されてきました。ちなみに、シーボルトは日本人が竜の骨と言っているものは恐竜の化石だと書いていたと記憶している。


で、そんな周知のことがなぜニュースに?と思ってAP通信の記事を見る。
【大変だ!】中国河南省の薬「竜の骨」、正体はやっぱり…(イザ!)
要するにこれは「化石を発見した」というニュースだ。「化石を食べた」のがニュースなのではない。


だが、実は去年3月にこんな記事がある。
大型恐竜化石、中原地区で初めて発見(中国通信)
河南省」で「董枝明氏」が発見したというのだから、同じものだろう。

 現地の85歳になる曹老人は次のように話した。この数10年間に私が砕いて漢方薬として売っていた「竜骨関」は、少なくとも3000キロから4000キロになる。当時は「竜骨石」が、そんなに貴重なものだとは思わなかった。非常に遺憾に思う。

というわけで、実は「化石の発見」についても一年前に報道されていた。今回、研究発表があって、再度記事になったのだろう。


ネット検索して見つけたモンゴルでの類例
恐竜のたまご(地平線と蜃気楼)


あと、ついでに「ミイラ」も漢方薬ですから(これは有名か)。
ミイラウィキペディア

また、薬としてのミイラは日本にもかなり輸入されていた。