年金問題は難解すぎるんで困る

俺は一昨日こんな記事を書いた。
国民年金の運用


アルファブロガーで金融に詳しい貞子ちゃんが昨日こんなことを書いている。
国債をもっと発行しても日本は破たんしないと思う。:貞子ちゃんの連れ連れ日記 - AOLダイアリー

そもそも、もし、昨今のように長期金利の異常な低金利が続くことなく、日本国内の長期金利が他の先進国並みに3〜4%程度の高ささえ維持できれば、私たちの年金の掛け金を40年近く年金福祉運用事業団へ預けて、彼ら年金福祉運用事業団に日本国債だけで運用させていたら、たいていの掛け金(あるいは保険料といってもよい)は3〜4倍近くになるはずなのだ。


しかし俺の認識は「集まった年金のお金はそのまま受給者に行く」というものなので、頭が混乱する。もちろん、ここで言っているのが「年金福祉運用事業団」(現、年金積立金管理運用独立行政法人)が運用する積立金のことだということはわかる。で、この積立金というのは何かというと、

公的年金積立金の基本的な意義は、「保険料のうち年金給付に充てられなかったものを年金積立金として運用し、年金財政の安定化に活用する」ということです。

公的年金積立金運用の基本的な考え方について


具体的には、
年金の給付水準確保のため利用する!?積立金って何? ★★最近話題の年金積立金って? - [All About マネー]All About

しかし賦課方式は人口構造の変動の影響を受けやすいため、少子・高齢化が進行する中では、世代間の公平の観点から、負担の平準化を図るために保険料率を段階的に引上げつつ、現役世代の保険料負担が急速に上昇して過度なものとならないように積立金を持ち、その運用収入を確保してピーク時の保険料水準を抑制していくことが必要なのです。

という用途のためにあるのですよね。


それともう一つ、年金の給付額は物価スライドだから、物価が上昇すれば、給付総額が増える。それは、つまり保険料を引き上げる必要があるということだけど、それを上回る「運用収入」があれば、それを財源にして保険料を引き上げなくてもすむ。


で、この積立金が、現在、国民年金と厚生年金合わせて150兆円以上あるらしい。これは給付金の約5年分で、国際的に見て非常に高水準。
先進諸国の積立金の積立度合[All About マネー]All About


本来、賦課方式は金を右から左へ動かすだけのものだから、給付額が増えれば、その分保険料を上げるのが筋だから、積立金など必要最小限でよいのであって、諸外国の積立金が少ないのは当然。日本の場合、厚生年金が元々積立方式だった名残りだそうだが、それとやはり利権があったせいなんじゃないかとも思う。しかし、急激な少子高齢化社会を迎え、この積立金を「取り崩す」ことによって、負担増を緩和することが可能。平成16年の年金制度改正で、保険料を段階的に引き上げた後固定し、積立金を100年後には現在の5年分から1年分にすることが決まった(計画通りになるのかは別として)。


というのが俺の理解するところで、自分の払った保険金が運用されて、老後に返ってくるわけではないと思うんだけど、制度的にややこしいから、「私たちの年金の掛け金を40年近く年金福祉運用事業団へ預けて」というのが、考えようによってはあながち間違ってはいないかもしれないと理解できそうでもあり、わかった上で言っているのか、どうなのか、見極めが難しいので困ってしまう。