昨日ryozo18さんからトラックバックを頂いた。

国家鮟鱇(tonmanaangler)さんのご質問への回答
「比較することに意味があるケースはもちろんあります」なんだそうです。


でしたら、「比較してはいけないものを比較しているだけ」とか「比較しても意味がない」などと言ってはいけません。
「批判は100パーセント正確でなければならない」
これが疑似科学を批判するときの鉄則です。


これ以降は蛇足になりますが、

そもそも、当初のdan氏のエントリでは「GGP (Gross Global Product)が3割増しにしかなっていないのに、金融資産が倍以上になる。なぜそれが可能になったかといったら、金融経済が完全に「仮想化」されたからだ。「モノ」の裏付けがないからこそ、たった10年で倍以上(年率8.5%)という「成長」が可能になったのだ。」として、この「実」と「虚」の伸び率の乖離を問題視しています。

とは、小飼弾氏がその上に書いてある部分、

もう少し正確に言うと、ブレトン・ウッズ体制が崩壊、貨幣が「無本位制」になったときに「虚」となったと言える。

という部分と関連しており、それは、先に紹介した岩林彪氏の論文で、

この制約された状態に風穴が開けられたのは、軍事支出(核軍拡競争、戦争政策等)に起因する財政赤字と国際競争力の低下による貿易赤字の累増問題を処理しきれなくなったアメリカが、ドル価値の安定(金に対するドル価値固定)という基軸通貨国としての当然の責務を放棄したばかりか、各国通貨に対するドルの相対価値を安定させる責任を主要先進国政府に押し付け、自国だけが国際収支への影響をほとんど気にせず国内で拡大路線を取るという身勝手な行動に走ったことを契機としてであった。

グローバリゼーションと時代の対抗軸(注:PDF)

ということを弾氏流に述べたものであると思われます。もちろん「通貨価値の厳格な管理」を「モノの裏付け」というのは変なので、突っ込むのなら、そこが突っ込むべきところだと思います。あるいは「その分インフレが進んだだけ」の部分とか。


次に、

問題は「虚経済」の急成長に耐えられるほど「実経済」が大きくないこと、にも関わらず両方の経済がリンクしていることにある。虚が虚、実が実だけで回っているならいい。しかし圧倒的に多きな虚で実を手に入れようとした時、実はどうなってしまうのだろうか。

の「両方の経済がリンクしている」とは「金利・配当」のことを言っていると思われます。


次に、

が、GDPがこの間に5分の1の水準にまで落ち込んでいるでしょうか?

弾さんの記事を読み直しましたが、金融資産の減少と同じ割合で実体経済が落ち込むは書いてないと思いますが?理解に苦しみます。


「複素経済学」については、それがどんなものなのか知らないので何とも言えません。弾さんの独自用語でしょうか。紹介されている著書の青木秀和さんも面食らっているのではないかと思います。


最後に、「経済学は難しい」とは、俺にとって難しいという意味です。だって、「意味がない」と言われたかと思えば、「意味があるケースもある」だなんて言われるんですから。正確に言えば、「経済学」について発言している人が何を言わんとしているのか、読解するのが難しいってことですね。