亀井静香金融・郵政改革担当相

俺は比例で民主に投票したんだが、この人事には大変失望した。参院単独過半数を得ていないので連立は仕方がない面があるとはいえ、完全に時代に逆行している。しかし、あまりにも露骨なので裏があるんじゃないかと勘繰ってしまう。


思い起こせば、亀井静香は2001年の自民党総裁選で小泉政権誕生に田中真紀子と並んで貢献した人であった。田中真紀子は外務省改革で小泉に期待するところがあったのかもしれないが、亀井氏の場合はどう考えたって、小泉氏と意見が一致していたとは思えない。思うに恩を売って小泉氏をコントロールしよう(できる)と思っていたのではないか。小泉氏は口では改革を唱えているが、どうせ妥協するだろうと見ていたのではないか(そう考えていた人は多かったと思う)。だが、利用されたのは亀井氏のほうであった。(そごうの民事再生法等で)利用されるだけされて切り捨てられた。同じく田中真紀子も切り捨てられた。両人とも自民党から去っていった。
(ちなみに麻生太郎郵政民営化に積極的だとは到底思えず、俺は抵抗勢力だと思っていたのだが、2003年に総務大臣に起用され、結局民営化に加担させられることになったのだと見ている)


小泉氏は(例外もあるとはいえ)基本的に言ったことは実行する人であった。それが当たり前だといえば、その通りだが、しかし政界の常識ではない。むしろ裏表のあるのが常識だ。だから口で言ったからといって額面通りに受け取る人はいない。小泉内閣の時にもマスコミも政治家も基本的に信用しておらず、あれこれ裏を読もうとしていた。それが小泉氏にとって好作用をもたらした。抵抗勢力は自ら妥協して、小泉氏から妥協を引き出そうとしていた。小泉氏はそれを美味しくいただいた。そういう面があったと俺は思っている。


民主党の場合はどうなんだろう?鳩山氏は社会民主主義者というわけではないだろうけれど、「大きな政府」を志向しているようにみえる。だが民主党をコントロールしているのは小沢一郎だというのが大方の意見だろう。小沢氏が「大きな政府」に転向したという話をよく見かけるが、ちょっと信用できない。小沢氏は「策士」だという評判だ(そうではないという意見もあるけれど)。民主党が今後どこに向かっていくのか、見たまんまで理解すればよいのか、裏があると考えるべきなのか、正直良くわからない。いずれにせよ、民主党が時代に逆行したことをやっていれば、それは程なく目に見える形でしっぺ返しを食らうことになるだろうから、日本の変化に貢献することにはなるだろうとは思っている。