一般大衆は陰謀論を支持するか?

価値観を支える支配的な言説の構造: EU労働法政策雑記帳


その分野に精通していない人、つまり一般人が、互いに矛盾するものを同時に支持するということはしばしばあると思う。


だけど、一方では「陰謀論的」な言説に対する健全な警戒心を持っていると思う。その警戒心はその分野から得たものではなく、日常生活における経験から得たものだと思う。


釣られてしまう人は、むしろ「自分はわかっているんだ」という自惚れのある頭でっかちのインテリ(気取り)ではなかろうか。


一般人は「わかっていない」が故に警戒する。しかし、その警戒心がどこからくるものなのか、専門知識を駆使して論じることができない。しかもあやふやなことを言えば激しい反論と罵倒が浴びせられる可能性が高いことは目に見えている。


従って一般人は沈黙する。そして沈黙するだろうという予想があるので、なおさら、その「陰謀論的言説」に何とかして立ち向かおうとする人が「同志」を得られる可能性は低く、孤独な闘いを強いられることになるだろうという予想もまた出来るので、ますます声を上げようとする「勇気」が萎えてくる。


また、専門家は専門家で、その分野には精通していても(陰謀論者から見ればそうではない無能な人なのかもしれないが)、反論する際、陰謀論的言説を論破するのに、どう専門知識を駆使すればよいのかの技術には精通していないということがあるかもしれない。

陰謀論を論破する技術が欠けていたのが原因だったのに、「専門家が口を出して混乱に拍車をかけた」→「専門家は口出しすべきじゃない」、というような考えが発生してしまうということもあるかもしれない。


なんてことを俺は考えています。