地震発生確率の謎

俺は10年ほど前から地震が周期的に起きるということを前提にした地震予測というものに懐疑心(内田樹先生風に言えば「なんだか厭な感じがする」)を持っている。


昨日の竹中氏の件をきっかけにして、あらためてちょっと考えてみたんだけれど、やっぱり釈然としないものがある。


asahi.com(朝日新聞社):原発停止要請の根拠…東海地震「発生確率87%」って? - 社会

 東海地震は、駿河湾から九州にかけての海底の溝、南海トラフ沿いで起こる地震のひとつで、西隣に東南海地震、さらに西に南海地震震源域がある。各地震は100〜150年おきに発生している。だが、東海地震は前回の1854年以降、150年以上経過した。

 過去の周期と、最後の地震からの経過期間を元に地震調査委は04年、30年以内の発生確率を「84%」と公表。その後の時間経過から今年1月現在で「87%」と計算した。ただ、この確率は「参考値」で「いつ起こってもおかしくない」状態と言われ、中央防災会議はエネルギーが「臨界状態まで蓄積している可能性が高い」と指摘した。


「各地震は100〜150年おきに発生している」


ところが前回の地震から150年経過しても東海地震は発生していない。


既に150年過ぎたのだから、いつ起きてもおかしくないというのが良く言われるところ。確かにそう言われるとそうなのだろうと思ってしまう。


しかし、今まで100〜150年おきに発生しているものが発生していないという事実は、それが地震予測をする際の前提として果して有効なものなのかという疑問が湧く。


東海地震はいつ起きてもおかしくない。しかしそこから今から50年後、100年後、200年後に起きてもおかしくないということは可能だろうか?


確かに地震はいつ起きてもおかしくないという一般論でいえばその通り。だけどそれが東海地震が周期的に起きるという文脈であれば、仮に今から100年後に起こるとすれば、周期説は当てにならないということであって、予測が当ったということには到底ならないと思う。


50年後に起きたって、やっぱり予測から大きく外れているということになるんじゃなかろうか?それどころか予測は既に外れたと言うことだってできるように思われ。


そして、東海地震が大きく騒がれる一方で、現実には阪神大震災が起こり、また東日本大震災がおきた。


東海地震が注目されることが日本の防災上いかなる悪影響(あるいは好影響)を与えたかということについて俺は皆目わからないけれど、日本は地震国でいつどこで起きてもおかしくないという認識が重要であり、地震予測をあまり過大に受け入れると、場合によっては害になることもあるのではないかと思う。


素人だから間違ったこと書いてるかもしれないけど。