STAP論文騒動のよくわからないこと(その18)

故笹井芳樹氏、小保方晴子に「新しい人生を一歩一歩進んで行ってください」 - kojitakenの日記

「『STAP細胞』研究不正事件」において、もっとも私の心を強く引きつけたのは、笹井芳樹という人物の存在だった。国際特許の仮出願に加わっていなかった笹井芳樹が加わるや、短期間で「STAP細胞」が世紀の大発見に仕立て上げられたのだが、それは安倍政権の成長政略の目玉である、神戸の先端医療産業特区構想と無縁であったはずはないし、笹井芳樹小保方晴子の研究不正に気づきながら強引に突っ走った(と私は推測している)動機もそこにあったはずなのだ。だが、

笹井氏が「小保方氏の不正」に気付いていた可能性を俺は否定しない。しないけれども現時点においては気付いていなかった可能性は十分にあるし、それ以前に「小保方氏の不正」自体が画像の不正使用以外にあったのかということさえ確かなことを言えない段階ではないか。なんでこんなに決め付けることができるのか俺には理解できない。


さらにいえば、仮に笹井氏が「小保方氏の不正」の協力者だったと仮定した場合、俺には合理的な理由が見つからないのである。合理的な理由がわからないから不正は無かったなんてことはないけれども、ここで言われているような「神戸の先端医療産業特区構想と無縁であったはずはない」なんてことはおよそあり得ないことのように俺には思える。


だって、そうでしょう。STAP細胞が存在しないのだとしたら、本人達がいくら存在するといい続けたところで第三者による追試が成功することは無いのだから。これだけの発見があって誰も追試を行わないなんてことはあり得ない。世界中で追試が行われ、そして追試が成功しなかったという報告が出される。そうなることは本人達が十分承知していることではないか。当然論文は不正が無いか精査されるだろう。そして実際そうなった。


いずれバレるにしても、一時的に騙せれば目的を達成できるというのならこの方法でもいいだろう。しかし「神戸の先端医療産業特区構想」のためにこの方法を用いるというのは全く納得できない。また目的が実現されたとしても、遅かれ早かれバレた時には笹井氏の名声は地に堕ちることになる。それを覚悟してのことだったというのだろうか?


笹井氏は山中氏に先を越されたとはいえ将来ノーベル賞を獲得することが有望視されている。それを棒に振ってまですることだろうか?小保方氏やシェーン論文捏造事件のような無名の研究者なら名声を得るためにやるかもしれないだろうが、笹井氏にとっては超ハイリスクローリターンな話ではないか。


こんな陰謀論めいたことをいうなら、まだ笹井氏と小保方氏が男女の仲だったというほうがマシに思える。


言うまでもないことだが「陰謀論」の可能性はゼロではない。ゼロではないことをいいことにして、それを大々的に宣伝するのが「陰謀論者」であり、この記事の筆者が忌み嫌う「小沢信者」がよく使う手であるのだが。


(追記)

最後の言葉の「(小保方晴子の)新しい人生」という言葉はまことに意味深長だと思った。これ以上は書かない。

とあるが、理研は小保方氏の画像不正を「捏造」とみなして、処分することが既定方針であり、彼女が訴訟を起こして勝たない限りは「新しい人生」を送ることになるのはほぼ確実でしょう。これのどこが意味深長なんだか。