黒田官兵衛目薬伝説

黒田官兵衛目薬伝説 目の神、鉄の神、足なえの神』(桃山堂)

黒田官兵衛目薬伝説  目の神、鉄の神、足なえの神

黒田官兵衛目薬伝説 目の神、鉄の神、足なえの神

  • 作者: 奥沢康正,浦上宏,芝本満,神崎勝,芥田博司,宝賀寿男,長谷川博美,石瀧豊美,蒲池明弘
  • 出版社/メーカー: 桃山堂
  • 発売日: 2014/09/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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目次


去年の9月に発売された。まだ読んでいない。読んでいないけれど、目次を見ると、一つ目の神と鉄の関係、足なえ伝説、福岡が金属地名であることなどが書かれているようだ。


で、この件について俺はかねがね興味を持っていて、2012年にこういう記事を書いている。
クロカンとヤマカン - 国家鮟鱇
これを書いた時点でネットを調べた限りでは、山本勘助については鉄との関わりを指摘しているものはあっても、黒田官兵衛について指摘している人を見つけることはできなかったと記憶している。


そんなわけで非常に興味深い研究なのだが、当時とは多少事情が変わってきた。


というのも黒田官兵衛の黒田氏の出自として通説とされていたものが疑問視されているからである。いや正確にいえば当時も既に言われてはいた。ただここで重要なのは史実ではなくて伝説なので、黒田家で伝承されてきた話であるとか、播磨地方の民間に伝えられていたものであれば史実と異なるという理由だけで価値が低下するものではない。


ところが、詳細がわかってくると、どうやらこれはそういった種類の「伝説」ではない可能性が高いように思われる。特に備前福岡との関係は祖先が近江から移住してきたのが史実でないだけでなく、黒田氏とは全く何の関わりもない土地のようだ。俺はこれを最も重視していたので脱力した。


もちろん他にも官兵衛の足が不自由だった(これも史実ではないらしいが)とか、目に関わる伝説などあるので、鉄との関連の可能性が全く消えたわけではないけれど、関心が低下してしまったことは否めない。