いつか見た光景
黒田総裁が「異次元緩和」をやる前は、リフレ派界隈では、緩和をすれば簡単に物価が上がる、なんでそんな簡単なことをすぐやらないんだ、みたいな話だったような気がしてならないんですが。
⇒扇動のための不当表示としての「リフレ派」 part149 - 今日の雑談
俺はリフレ派の主張をそんなにウォッチしてないんで「緩和をすれば簡単に物価が上がる」という主張がどれほどあったか知らないんだけれど、もしそんな主張があったのならまともじゃない。さすがに真っ当な学者はそうじゃなかったと信じたい。もちろん緩和したって物価は上昇しないという意味ではない。そうではなくてそんな確実に上昇するわけないだろうという意味で。あまりにも世の中を単純化している。
(俺はリフレは「設計主義」だから反対だ。しかしリフレ政策をやれば成功するかもしれないとは思っていた。設計主義のソ連や北朝鮮だって、ごく短期間ではあるが成功したのだ。たとえ成功したとしても、その後が問題だと思っているのだ)
ところで似たような話を数年前にみた。
⇒「小泉構造改革」は誤解の集積だった:日経ビジネスオンライン
さらにハイエクやフリードマンは、決して自由主義経済は常に右肩上がりのバラ色の世界などと言ったことはなく、時々起こる経済の収縮は、まさに行き過ぎた市場自体が持つ自浄作用であると考えていたわけです。ですから今回の景気後退をもって、ハイエクの自由主義が間違っていたという批判は、あまり意味を持つものではありません。
どういうことかと言うと、ハイエクやフリードマンの考え方に従えば、景気は長期的にマーケットの力で回復すると主張していました。公共投資を主張した経済学者ジョン・メイナード・ケインズの政策のようなケインズ主義的、あるいは国家が経済に介入することが当たり前になっているような世界は、少なくとも短期的に問題が顕在化しなくても、いずれ大きな形で問題が現れることになります。
いわゆる新自由主義で右肩上がりのバラ色の世界が来ると考えていた人達がいた。しかしハイエクやフリードマンはそんなことを言ったことはなかった。にもかかわらずそう妄信した人達は新自由主義の過激な信者となり、やがて夢想した世界が来ないことに失望し去っていった。
その中にはリフレ派に転向した人もいたはずだ。というか名前忘れたけどいた。
今度は何に転向するのだろうか。