兜町雀

 株価は何で上下するかというと、いろんな要因があるけど、何といっても重要なのは、その企業の業績が将来どうなるかということですね。それを分析するには財務諸表を分析するなどの専門的なことから、素朴にこの商品は売れそうだなんてものもあるけど、それはすでに誰にでも手にできる情報を基に、どれだけ正確な判断ができるかにかかっているわけです。しかしまあそういうことは誰でも知っている情報なわけで、長期投資は別ですけど、短期投資ではあまり役に立ちませんね。
 短期投資で重要なのは株価の値動きとか、出来高とかそういった情報です。普段値動きのあまりない株が急に値上がりしたり、出来高が膨らんだりすると注目されます。で、最近の株式市場は見てないんで知らないけど、大抵そのときいろいろな噂が流れるんですね。画期的な新商品を開発したとか、油田が見つかったとか、どこそこと合併するとか、某ファンドが買い集めしているとか…まあ大体は噂に過ぎないわけですけど…
 で、要は儲かればいいわけですから、「噂」が真実かどうかなんて重要なことではないです。噂に便乗して早いうちに買って、上がったところで売ればそれでいいんで、もうそんなの絶対に嘘だろと思っていても、それどころか全員がそう思っていたとしても、「噂」で株が上がるだろうと多くの人が思えば、その株は上がるんで、要するにババ抜きですね。最後にババをつかんだ人が損するんです。

(もちろん「風説の流布」は法律違反ですよ。捕まりますから。念のため。)
 
 なにが言いたいかつうと、「取るに足らない噂」でも、人によっては価値がある場合があるつうことでした。