さらば宇宙戦艦ヤマト

BIGLOBEストリームにて公開中。
http://broadband.biglobe.ne.jp/index_oldanime.html
1978年作品。懐かしいです。なんて言うと俺が結構なおっさんだということがバレてしまうんだけど、まあいいや。
28年も前のことになるのか。それなのにセリフをはっきり覚えている。
映画は一回見ただけだけど、ラジオドラマでもやっていて、それをカセットテープに録音して何回も聞いていたからかな。
当時はアニメの全盛時代。いや今の方が盛んなんだろうけど、今のように一部の人が熱中しているんじゃなくて、みんなが熱中していた。
「ヤマト」の他にも「ルパン三世」、「巨人の星」、「デビルマン」とか。学校から帰ると日テレの再放送でやっていたから、学校で話題になる。あとドラマでは「太陽にほえろ」とか「大都会」とか「学園ドラマ」とかも、フジテレビだったと思うけど「コンバット」も流行っていた。


その前の1977年に「宇宙戦艦ヤマト」が劇場公開されて大ヒットしたんだけど、俺の家では劇場で映画を見るという風習がなかったから、映画館にはほとんど行ったことがない。でもそれじゃ話題に乗り遅れるから、小遣いためて地元の映画館に見に行った。そしたら超満員。通路にダンボールが敷いてあって、そこに座って見たように記憶している。


で、ラストに近づくと、あちこちから女の人がしくしく泣いているのが聞こえる。最後は次々に人が死んでいくからというのもあるけど、当時は感動的なものを見て感動するというのが一種の流行みたいになっていた。日本全体がそうだったのかは知らないけど、少なくとも俺の周りはそうだった。学園ドラマとか、可哀相な人をテーマにしたドキュメンタリーとか、そういうのにケチつけたらハブにされてしまう。強者は悪、弱者は善、そんな雰囲気。俺はその頃からひねくれていたから、そういうのが嫌いで人が感動しているとかえってしらけてしまう。


この映画も圧倒的な力を持った悪に、弱者であるヤマト乗組員が勇敢に戦いを挑むというところがあります。それで結末はというと、それは映画でははっきりとは描かれていないんだけど、多分地球は救われたんでしょう。それは当然なそうなるべきなんですけどね。ただ俺はひねくれているから、悪には悪の言い分があるだろうとか、あんなに強い敵に勝てるわけがないだろとか、ついつい余計なこと考えてしまって、感情移入できないんですね。まあ今はいい大人ですから、そういうのも含めて楽しむってところがありますけど、当時はそういうのが気になって仕方ありませんでした。


そんなこんなで、見る前にはかなり期待して、本屋で特集している本を見つければ立ち読みなんかしていたんだけど、その後は熱がさめてしまいました。ところが、ある場所では、この映画について熱い議論が交わされていたんですね。そのある場所とは、もう古い話なんで、記憶が曖昧なんだけど、多分「朝日新聞」だったと思います。


この映画が「戦争を賛美している」、「特攻隊を賛美している」。なんて批判があったんですね。
それに対して、反論があって、さらに再反論があって、てな感じで、延々と続いていたように記憶しています。俺の家は新聞を景品目当てで頻繁に変更していたので、その議論をずっと見ていたわけじゃなかったけど、記憶ではかなりしつこく議論していたように思います。俺は映画を見てからは熱が冷めてしまったんで、割と冷静にその議論を見ていたと思うんだけど、あまりのしつこさに、こいつら何でこんなしょうもないことで熱く議論しているんだって、何かあきれた記憶があります。


まあ古い記憶なんで当てになりませんけど、俺の中では、これが「朝日新聞」に疑問を持った最初だったんじゃないかな(勘違いかも知れないけどね。今度ひまがあったら図書館で確認してみるつもり)。