Doblog - 向き合いの中から生まれるもの、それは対話 –
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今井紀明の日常と考え事
http://blog.livedoor.jp/noriaki_20045/
が「炎上」している。ただし「炎上」という言葉の定義は実のところ俺にはよくわからない。
コメント数が一番多い
「迷惑をかけて申し訳ありません、ただ少し聞いていただきたいです」
http://blog.livedoor.jp/noriaki_20045/archives/50441846.html
には現在2416件のコメントがある。これは数としては確かに多い。しかしそれは他のブログと比較した場合に相対的に多いということである。今井君は日本人のほとんどがその名前を知っている。並の芸能人よりも有名である。その超有名人ブログへのコメントが2416件というのが多いのか少ないのかも考えてみる必要があるだろう。ちなみに「ブログの女王」真鍋かをりさんの2月3日の記事へのトラックバックは現在2122件である。
ただし1月のコメント数は多くて数件しかないのだから、急に増えたのは間違いない。なぜ増えたのかといえば2004年のイラク人質事件のとき、実家に届いた「中傷」の手紙を公開したことによることも間違いない。
これが「励まし」のコメントが大量に書かれたというのなら「炎上」とは呼ばないだろう。そうではなく批判的なコメントが多いから「炎上」と呼ぶのだろう。ただし批判的なコメントが多ければ「炎上」なのか、あるいは批判的であっても中傷でなければ「炎上」と呼ばないのか、その場合どういう基準でもって中傷かそうでないかを区別するのかというような数々の疑問があるのだが、まあ多くの人が「炎上」だと認識しているのだから「炎上」と呼んでよいのだろう。
で、そういう批判的なコメントがたくさん書き込まれるということは、どういうことかといえば、それは今井君に批判的で、かつコメントを書き込みたいと思い、かつ実際に書き込んだ人がそれだけいたということである。今井君に好意を持っている人が悪口を書くはずがないし、批判的であっても書かない人はたくさんいるし、書こうと思っていたけどすでに大量に書かれているので止めたという人も多いだろう。(自演の可能性はまずないであろう。)
ただそれだけのことである。逆に言えば、今井君に批判的であり、コメントを書き込みたいと思い、かつ実際に書き込むという三条件を満たした人が正確な数字はわからないが多くてもせいぜい数千人(実際はおそらく数百人程度だろうが)だけ存在するということである。日本のインターネット人口が何人いるのか知らないけど数千万単位であろう。その中のわずかせいぜい数千人の話である。そしてそれ以上はその三条件を満たした人はこの世に存在しない。
一方、コメントを書かれたほうは、1000件どころか、100件コメントが書かれただけでも最早対応するのは困難である。これはキャパシティの問題である。可能性としては逆に1000件どころか数千万件のコメントが寄せられる可能性だってあるのである(実際はその前にサーバーがダウンするだろうけど)。ところが実際には数十件のコメントがあれば許容量をオーバーしてしまう。だから、数十件のコメントがあれば、多くの人は、それ以上コメントすることは「炎上」に加担してしまうことになるので書くことを躊躇する。その結果、ますますコメント欄はそういうことに遠慮のない人の書き込みで占められることになる。
ところで、こういう「炎上」があった場合、それが即「批判されるべきこと」になるのだろうか?俺はそうではないと思う。「批判されるべきこと」か「批判されるべきことではない」のかを判断するのはブログの管理人であって、赤の他人が判断すべきことだとは思わない。それは余計なお世話である。ブログの管理人が嫌がっているのに、それでも「炎上」が続いた場合に初めて他人が論評できることである。すなわち「炎上」そのものが問題なのではなく、管理人が迷惑だと思う行為をすることが問題なのである。ただし管理人が迷惑だと思う行為をすることが即批判されるべきことだというわけではない。最低条件として必要だということである。
今井君のブログを読むと、彼がやりたいことは「対話」だということがわかる。
http://blog.livedoor.jp/noriaki_20045/archives/50441846.html
ところが、予想外に大量のコメントが寄せられたので、それが不可能になってしまった。要するにそれだけである。批判はやめてほしいとは書いていない。
しかし、手紙や今僕のブログに書かれた言葉を見るように、当初僕は「死ね」「バカ」「きもい」など多くのことをいわれました。そして、今日もです。
とあるが、まさに今井君の目的は、そういう書き込みをする人達に向って話しかけたいと思っているのである。
また、
しかし、批判をされる方はそちらもリスクを背負っていただきたいです。
http://blog.livedoor.jp/noriaki_20045/archives/50457743.html
とあるが、それも批判というよりは、彼の「そうすべきだ」という主張である。
俺は今井君の政治的な思想や行動に賛成するものではない(というか左翼的であろうというくらいでよく知らない)が、少なくともこの記事を読む限り、思想は別にして、この態度には好感を持つのである。「コメントスクラム」が云々と言って相手をけなすだけの人とは大違いである。そもそも彼の目的は、事件の時の「中傷」についてであるのだから、そういったものを封印しても目的は達せられないのである。今彼は、大反響になって全ての人と対話できないのは予想外であったようだが、そういった人たちと「対話」するチャンスに恵まれたのである。対話によって問題が解決するかはわからない。多分無理であろう。しかし、何か得るものがあるのではないかと期待するのである。