キーワードの独り歩き

俺は野球が嫌いというわけじゃないんだけど、それほど詳しいというわけでもない。
で、誰かから「今年の巨人、強いですね」なんて話しかけられたとする。
「そうですね。」と俺は答える。
巨人が調子いいのは知っているけど、それ以上話をするほどネタを持っていない。しかし、それでは、話が続かない。
そんなとき、どうすればいいかというと、「巨人」をキーワードにして、たとえば、「巨人戦の視聴率低迷」の話をすればよい。これならなんとか話が続きそうだ。
まあ、俺はこういうのが苦手で、相手が野球の成績について話しているんだからと、それについてのネタを、少ない中から搾り出そうとして、結果、会話が弾まないということが良くあるが、コミュニケーション能力に優れた人は、こういうテクニックを不自然なく行使する。日常生活では、大事な能力である。


だが、これを議論の場で使われると、焦点がぼやけ、議論が散漫になってしまう。
議論するときには、何について議論するのかを絞り込み、それから逸脱した場合には早急に軌道修正しなければならない。しかし、現実問題として、なかなかうまくいかない。


朝まで生テレビ」を見ていると、その手の、話の流れと全然関係ない発言をする人が結構いる。
何でそんな話をするのだろう?それについて話をしたければ、別の機会に話せば良いのに…
と思うことはしばしばであるけど、本人にしてみれば、ここで話をしなければならない必然性があるのかもしれない。


2ちゃんねる」では、韓国に関することを誰かが言及すれば、話が脱線してしまうことが実に多い。
そういうのは相手にしなければいいのだが、スルーできない人もいるので、話はあさっての方向に行ってしまう。多少の脱線は、いいと思うんだけど、多少では済まないことも多いので、そんな時はあきらめて、さっさと、別のところへ行く。


特に、ある種のキーワードは、議論が散漫になる原因となるようだ。
注意しなければと、自戒も含めて思う今日この頃。