ルール(2)

で、それはそれとして、問題は村上ファンドが「私募ファンド」であることでしょう。直接株式に投資するわけではない。しかし、「公募ファンド」と比較すれば、運用者との繋がりが密接であると世間から思われる可能性が高い。


日本銀行員の心得
http://www.boj.or.jp/type/law/fukumu/fukumu02.htm

7.個人的利殖行為
(1) 職務上知ることができた秘密を利用した個人的利殖行為は、厳に行ってはならない。
(2) 現担当職務と個人的利殖行為との間に直接的な関係がなくとも、過去の職歴や現在の職務上の立場等に照らし、世間から些かなりとも疑念を抱かれることが予想される場合には、そうした個人的利殖行為は慎まなければならない。
 また、疑念を抱かれる利殖行為に該当するか否か判断し得ない場合は、あらかじめ所属長(所属長自身の場合はコンプライアンス会議の審議を経て総裁が役職員の中から定める者)に相談するものとする。
8.贈与等、株取引等および所得等の報告
(2)局長級の職員は、別に定めるところにより、株券等の取得または譲渡および所得等に関し、所属長(所属長自身の場合はコンプライアンス会議の審議を経て総裁が役職員の中から定める者)に報告しなければならない。


世間から些かなりとも疑念を抱かれることが予想される場合には、そうした個人的利殖行為は慎まなければならない。
世間から些かなりとも疑念を抱かれることが予想される場合には、そうした個人的利殖行為は慎まなければならない。
世間から些かなりとも疑念を抱かれることが予想される場合には、そうした個人的利殖行為は慎まなければならない。


日銀総裁の投資>違法ではないが…道義的責任問う声も(毎日新聞

 今回の件について日銀は、行員の服務を定めた日銀法や、内規にあたる「日本銀行員の心得」に抵触しないとの立場だ。
 「心得」は個人的利殖行為を規制しているが、この利殖行為とは「職務上知りえた秘密をもって投資し、個人の利益を図るインサイダー行為」を指す。福井総裁は拠出金の運用について「完全な一任勘定で、利殖の対象として操作できるものではない」と説明しており、日銀総務人事局は内規違反に当たらないと判断したという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060614-00000018-mai-pol
まあ、日銀はこんなこと言ってるけど、ちょっと苦しいな。


明確なルールが無かったといえばその通りであるが、そもそも問題はルール違反であったかということではない。日銀総裁としての資質の問題だ。ルール違反をしていなければ批判するのはおかしいということはない。村上世彰氏の場合のようにルール違反したのかが問われるケースと同一のものではない。明確なルールを設定すべきであるという意見はそれはそれで重要だが、ルール違反が問われているわけではないのだから、一見同列のようにみえて焦点がずれている。


肝心なのは、福井氏に対する批判が妥当であるのかということだ。ネット上の批判はいちいちチェックしていないが、主要新聞の社説を見る限りでは大まかに見て妥当であると俺は思う。(同意できるという意味ではない。それは人それぞれの意見があるのが当然だ。念のため)。


この場合、そういう批判への反論として、村上ファンドへの投資は何ら問題がないというような種類の反論なら、それは一つの意見だと思うんだけど、ルールが無いっていうのは論点がずれているような気がするんですけどね。