かぐや姫は宇宙人

「昔話が変化する」で思い出したけど、今は昔の1987年、市川昆監督、沢口靖子主演の『竹取物語』という映画があって、スピルバーグの『未知との遭遇』に出てくるみたいなUFOが、かぐや姫を迎えにくるっていうシーンがあるんですよね。テレビで見たんだけどトホホでした。


かぐや姫が宇宙人だって説は、いつからあるのか知らないけれど、この映画が公開された当時は、かなり一般的な話になっていて、どのくらい一般的だったかというと、「かぐや姫=宇宙人」説を主張しているのならともかく、何の関係もないところでも、かぐや姫の漫画やイラストにUFOがくっついてくるってくらい「お約束」な感じになっていたような記憶がある(昔のことだから記憶が曖昧だけど)。


今はどうなんだろう?そもそも最近かぐや姫の絵を見る機会がないのでわからない。「かぐや姫 宇宙人」で検索すればいっぱいヒットするから、今でも信じている人は信じているんだろうけど、一昔前よりは落ち着いたんじゃなかろうか。宇宙人が存在すると信じている人は今でも多いけど、宇宙探査の進歩で、身近な宇宙に知的生命体が存在する可能性が低くなってきているからかもしれない。


で、俺は昔から疑問に思っていることがあって、それは、古代の人が、もし宇宙人に出会ったとして、それを宇宙人と認識できるのかってことなんだけど、未だによくわからない。UFOに乗ってやってきたら、そりゃ天空からやってきたことはわかるだろうけど、問題はそこから先。夜空を見上げれば、お月様があるけど、そこに人が住んでいるってどういうこと?


もちろん俺は現代人だから、月が見た目よりも遥かに大きいということを知っているし、月に重力があるので月面上から落っこちることはないと知っているし、月が満ち欠けしても、それが本当に月の形が変わっているわけじゃないことを知っているし、地球もまた月と同じく星であり球体だということを知っているけど、古代の人もそれを知っていたのだろうか?地球が丸いというのは古代ギリシャ人も知っていたそうだけど、日本人も知っていたのだろうか?月の満ち欠けの仕組みは知っていたかも。勉強不足。そういう宇宙の知識がない場合はどう考えられるのか?「星の王子さま」みたいな感じ?現代的な感覚で考えても答えは出ないだろう。


そういえば、「かぐや姫=宇宙人説」をテレビで紹介する時に、司会の人とかが、「ロマンがあっていいですね」というようなコメントをしていたような記憶がある。だけど、俺はむしろこういうことにロマンを感じる性質なんですね(まあ、とっくに研究されていることだろうけど)。