パレスチナの対立と我が国ネット界の対立

お前は“殉教者”か “裏切り者”か (英『エコノミスト』誌から):NBonline(日経ビジネス オンライン)


パレスチナファタハハマスの対立は深刻だ。


パレスチナの対立ほど深刻なものではないが、我が国のネット界の対立も激しさを増している。この一週間だけでも何件かあった。対立は多くの場合、「2ちゃんねる」でなんらかの事件に関して「祭り」が発生するところから始まる。圧倒的多数が一方の勢力を支持している(ように見える)こととなったとき、「2ちゃんねる」とは別の媒体(主にブログ)で、それへの違和感が表明され、それを支持する者が同意コメントやトラックバック記事を書く。かくして「2ちゃんねらー」と「一部ブロガー」の間の対立となる。


なお、2ちゃんねる内が一つの意見で完全にまとまることなどあったためしがない。意見が真っ二つに割れているときは、「2ちゃんねるでも意見が割れている」などと、「J-CAST ニュース」あたりがネタにするが、2ちゃんねる内で少数者の反対意見が書いてあっても、それが注目すべき対立と見なされることはあまりない。それが「2ちゃんねる」の多数意見と「一部ブロガー」が対立する場合だと注目される。中身は同じ人間のはずなのに、不思議といえば不思議。多分、ネットの構造に由来するのだろう。


なんとなく、2ちゃんねらーは「急進派」の「ハマス」で、一部ブロガーは「穏健派」の「ファタハ」っぽく見える(なお「穏健派」といっても「穏健な人」という意味ではない。ココ重要)。といっても、俺はパレスチナの組織の実態に熟知しているわけじゃないので、あくまでイメージ。だけど実のところ、パレスチナの状況に例えなくたって、こういう対立は世の中にいっぱいあると思われ。


こういう対立は未来永劫続いて、完全な解決は不可能だと思う。ただ一時的な解決はありえる。それは「急進派」にも「穏健派」にも支持されるカリスマが登場したときだろう。「穏健派」が理性で「急進派」を改心させることができるなんてことは、まずありえない。ましてや「急進派」を「愚民」として見下していたのでは、解決するどころか、対立が激化するだけなのは間違いない。