昔は問題視されていなかったのにある時期を境に問題視されるようになるという話

⇒文芸評論家・加藤弘一の書評ブログ『昭和を騒がせた漢字たち』 円満字二郎 (吉川弘文館)
昨日の書評ブログの記事にこんなのがあった。

 1950年が節目になるのは、この頃から当用漢字が普及しはじめたことが関係している。福井県庁の掲示板が「福丼県庁」になっていたり、朝日新聞毎日新聞の題字の「新」の横棒が一本多かったり、小学校のブロンズ像の台座の文字の人偏の縦棒が突き抜けていたりといったことが新聞沙汰や裁判沙汰になったりすることは、それ以前にはなかった現象だ。

 新聞題字問題は林達夫がちょっとした皮肉として書いたものだったが、林の意図を越えて大真面目に受けとられ、長期間新聞の投書欄を賑わすことになった。

 当時、新聞協会に加盟していた33紙のうち、27紙の題字が一本多い「新」だったそうだが、その多くは戦前からつづいていた新聞だろう。何十年も前から掲げられていた題字がなぜ急に問題にされるようになったのか。

面白いですね。