憲法九条の精神と食糧安保

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

⇒日本国憲法(法令データ提供システム)


憲法九条は、この前文の思想を基にしていると考えるのが自然でしょう。一番肝心なのはこれですよね。

平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。


俺は憲法問題詳しくないけれど。


で、食糧問題。近年食糧価格の高騰が大きく騒がれた。原因は食糧需要の増加だと言われるが、池田信夫氏によると、そうではないそうだ。

この原因は中国やインドの食料需要の増加だといわれるが、米の異常な暴騰は輸出国が数量割り当てを実施したためだ。トウモロコシが1.5倍になったのは、欧米諸国がバイオエタノールの増産を決めたことが原因だ。
だから、この問題を解決するのに必要なのは、熱帯雨林を破壊してCO2を倍増させるバイオエタノールの生産をやめ、穀物価格の安い時期に欧米の農家を保護するために設けられた輸出補助金などの農業保護を廃止して穀物価格を引き下げることだ、とEconomist誌は指摘している。

「食糧危機」の本当の原因 - 池田信夫 blog
池田氏は食糧自給率アップ政策に一貫して批判的。


去年、自国民の食糧を確保するために、食糧の輸出を停止した国が何カ国かあったけれど、「諸国民の公正と信義」を信頼すれば、食糧安保などナンセンス、(食糧)自衛よりも(食糧)平和への努力が大切だということだろうか。別にそれに反対というわけでもないけれど、思想としては憲法九条の精神に似ているように思いますね。