にんげんだもの

羽入氏は、しばしば、ヴェーバー自身が明記していることを無視したり、自分の解釈を押し付けたり、間違いだとか、不誠実さの現われだとみなして、論を進めることがある。しかし、もし、本当に知的不誠実さを立証しようとするのならば、まず、相手が、100% 知的に誠実であると前提して検証を進め、なるべく相手の文脈に沿って正確に理解しようとあらゆる努力をし、それでも問題が生じるときに初めて、そこに不誠実さが介在したと判断すべきであろう。しかし、羽入氏は初めから、「知的に不誠実なヴェーバーだから、こんな変なことをすることもありうる」という思い込みに支配されているところがある。

宇都宮京子「知的誠実性を問うことの陥穽について」


わかっちゃいるけど それがなかなかできない にんげんだもの