「神武東征」(その2)

日本書紀による神武天皇までの系譜。


イザナギが黄泉の国から返ってきて左の眼を洗って生まれたのが天照大神、次に右の眼を洗って月読尊、次に鼻を洗って素戔嗚尊が生まれた。


アマテラスとスサノオの誓約(うけい)でスサノオがアマテラスの「八尺の勾玉の五百箇のみすまるの珠」から生んだ五柱の神の「長男」(一書では次男)がアメノオシホミミ。アマテラスの持ち物から生まれたのだからアマテラスの子ということになった。


アメノオシホミミの子がニニギ(一書では兄にアメノホアカリがいる)。


ニニギとコノハナサヒヤヒメの子がヒコホホデミ


ヒコホホデミの子がウガヤフキアエズ


ウガヤフキアエズの子(第四子)が神武天皇。諱はヒコホホデミ



神武と神武の祖父がどちらもヒコホホデミなのは何でだろう?学者がどういう見解を持っているのか俺はよく知らない。


俺はヒコホホデミという英雄の伝説が元々あって、様々なバージョンがあったんじゃないかと思う。「史実」じゃないんだからお互いに矛盾する伝説があったって不思議じゃない。で、神話を再統合する際に、両者が別人として扱われるようになったんじゃなかろうかと。一方、神武はイワレビコともサノとも古事記ではワカミケヌともトヨミケヌともいうが、類話が統合されていったのかもしれない。様々な伝説が一緒になったり離れたりを繰り返して今の伝説になってるんじゃあるまいか。


(つづく)