「神武東征」(その5)

神武の母はタマヨリビメタマヨリビメは海神(ワタツミ)の娘でトヨタマビメの妹。

天孫・邇々芸命が大山津見神の娘木花佐久夜毘売との間にもうけた火遠理命(=山幸彦)と結婚し、鵜茅不合葺命を生む。出産の際に古事記日本書紀一書では八尋和邇(やひろわに)の姿、日本書紀本文では龍の姿となったのを、火遠理命が約を違えて伺い見たため、綿津見神の国へ帰った。鵜茅不合葺命は、妹 玉依姫神に養育され、後に玉依姫神との間に神倭伊波禮毘古命(=神武天皇)をもうける。

トヨタマヒメ - Wikipedia


姉のトヨタマビメが「ワニ」なんだから、妹のタマヨリビメも「ワニ」じゃないだろうか?少なくとも人間じゃないだろう。


「ワニ」とは何かということなんだけれど、サメのことだとよく言われてる。しかし、サメが子を産むのに海辺に来るというのはおかしな話だ。「クロコダイル」ならおかしな話じゃない。何で「サメ」だと言われているのか、とても不思議だが、おそらく「ワニ」が日本に生息していないというのが理由なんだろう。でも、やっぱり「ワニ」は「ワニ」なんじゃなかろうか?あるいは「ワニ」に似た想像上の動物かも。日本書紀本文には「竜」とある。


そして、ここが重要だと思うんだけれど、子を産むといっても、赤子を産んだわけじゃないと俺は思うんですね。そうじゃなくて「卵」を産んだのだろうと。


トヨタマビメはウガヤフキアエズを卵の形で産んだと思うんですね。で、おそらく、正体をヒコホホデミに見られたトヨタマビメは卵を産んでそのまま海に帰ってしまった。替わりに妹のタマヨリビメがその後の面倒をみた。その後ウガヤフキアエズの妻となり、神武その他の兄弟を、こちらもまた卵で産んだのだろうと。おそらく兄弟といっても、同時に産卵されたもので、卵として産まれた順番、または孵化した順番で兄弟の別ができたのだろうと、そう思うんですね。


そんで、トヨタマビメ、タマヨリビメの「タマ」は、「タマシイ」の「タマ」という意味があるかもしれないけれど、「タマゴ」の「タマ」の意味もあるんじゃなかろうか。


日本には「卵生神話」が少ないと言われているが、元々はたくさんあったのではないかと思う。谷川健一氏は応神天皇に卵から産まれた伝承があったのではないかといっているし。


(逆に考えると元はあったはずの卵生神話がなぜ消されたのかという疑問がでてくるけれど)