従来の疑似科学批判を反省した上での動き

ニセ科学批判に対する一般的な誤解 - 今日の雑談
に、俺の書いた、

しかし、それではいけないという考える人もいて、積極的に巷に流布している疑似科学を「正しく」批判しようという動きが出てきた。これは従来の疑似科学批判を反省した上での動きであり、それは大変結構なことだと思っているわけです。

が(批判的に)引用されてるのでそれについて。


この「従来の疑似科学批判を反省した上での動き」とういのは具体的には以下のようなものです。引用は、『日本の「超常現象ある・ない論争」はなぜ退屈か』(久保田裕 「オカルト徹底批判 朝日ワンテーママガジン)から。


1975年9月、米国の雑誌『ヒューマニスト』に、ノーベル賞受賞者19人を含む192人の署名で、占星術を批判する宣言文が掲載された。


それにカール・セーガン博士は署名しなかった。

彼が署名しなかったのは、もちろん占星術を信じていたからではない。そうではなくて、占星術を自分で調べたことすらない人々が「絶対ないのだ」と頭から極めつけてしまう、その権威主義的なやり口が気に入らなかったのである。

さらに、このような形の宣言を出しても、疑似科学を信奉している人々が説得されることは絶対にあり得ない、むしろ科学者は頭が固くて了見が狭い、という印象を世に振りまくだけに終わりかねない、ということもセーガンはちゃんと見抜いていた。


またファイヤアーベントは、

「無知でうぬぼれていて、自由に人の心を操れると思いこんでいる点において、お互いどれほど良く似ていることか」

と批評した。


ネットだと
polieco_archeの日記 - 2007-09-03
が詳しい。


そして、現実に占星術ブームは下火にならなかった。一方、1976年、米国に「反超常現象団体」CSICOP(サイコップ)が設立され、これにはセーガン博士も参加した。
サイコップ - Wikipedia


従来の疑似科学批判を反省した上での動き」とはそういうこと。


で、その影響は当然日本にも及んだと思われ(自然科学だけでなく人文科学、俺の興味対象である日本史にも)


自然科学の分野では「Japan Skeptics」が設立され、「日本版CSICOP」として期待された。
Japan Skeptics - Wikipedia
上記の久保田裕(皆神龍太郎)氏も運営に深く関わっていた。


しかしながら、「Japan Skeptics」は現在どんな活動をしているのか、よくわからない状態。内部でいろいろあったようだが詳しいことはわからない。


もっとも、会長が安齋育郎氏で、副会長が大槻義彦氏だったから、期待しつつも当初から大いに懸念材料があったんだけれど。