稲生物怪録(その2)

そもそも俺が「稲生物怪録」の存在を知ったのは偶然であった。


どういうことかというと、俺は「霊犬伝説」に前々から興味があった。そのことについては前に書いた。
岩見重太郎と霊犬伝説 - 国家鮟鱇


そこで、信州駒ヶ根の霊犬「早太郎」は「隼人」と関係があるのではないかと書いた。
(余談だが、今ネットで「早太郎 隼人」と検索すると、早太郎の早は薄田隼人正だという説があると書いているところがある。そんな説があるとは初耳である。誰が主張しているのだろうか、ってまさか俺のことか?俺のはトンデモ説なので、そうであるならばこういう書き方はしてほしくない。というか説があるなら誰が唱えてる説なのか、不明ならどこで見たとか書いてあるとありがたい。歴史・民俗学関係のネット記事には出典が書いてないことが多く、面白そうな説を見かけても確認する術がないということがしばしばあり困っている)


で、それはともかく「霊犬伝説」で有名なものには、「早太郎」の他に、静岡県磐田市の見付天神に「しっぺい太郎」伝説がある。漢字で書くと「悉平太郎」。そんで、この名前にはどんな意味があるんだろうと「しっ平太郎」で検索していると、全く関係ない話がヒットする。それが稲生平太郎。「稲生物怪録」の主人公。


「平太郎」がかぶってるのでヒットするのだろうが、何か繋がりがあるのかと思い、調べてみたけれど、その時点では特に何もないように感じた。


しかし、最近あることを知って、再考してみると、関係が全くないともいえないような気がしてきたのであった。



※ちなみに、「悉平太郎」「早太郎」の名前の由来についての学術的な考察は、
見付天神裸祭資料 「悉平太郎」名前の由来
早太郎(世界神話事典)
に詳しい。特に「疾風(しっぷう、はやて)」説は説得力がある。だが、もしハヤテとハヤトに関係があるとしたら、俺のトンデモ説が崩れ去るというわけでもないとも思う。


(つづく)