タイトルにはこう書いたけれど、これから具体的にそれを検証していこうという話ではない。
俺はこの手の話の入り口のところでつまづいてしまう。
「動機」とか「理由」とは一体何だろうって。
たとえば、「あなたがパソコンを購入した理由は何ですか」と聞かれたとする。
Ａ「パソコンのスキルを身につけていなければならないと思ったからです」
だけど実際は、ゲームをしたり、エロ画像を収集するのが主だったりするのがよくあるパターン。
じゃあ嘘をついているのかといえば、ＰＣのスキルを身につけるために買ったということに間違いはない。だがＰＣを買えばゲームをすることができる。そのことが頭の中になかったというわけではない。
では、「動機は複数あります。スキルを身につけることと、ゲームをすることです」と答えれば正確だということになるのだろうか？
しかし、それも少し違うように思う。なぜなら、たとえＰＣにゲームをすることができるという機能が無かったとしても、購入したであろうと思うからだ。
とすれば「主たる動機」はやはり「スキルを身につけるため」ということになる。
だけど、ここでまた考える。「そうは言っても、ＰＣを買えばゲーム三昧になることは、あらかじめ予想できたことではないのか」と。そう聞かれれば否定できなかったりする。
それに、もしかしたら自覚はしてないけれど、購入という行動には「ゲームができる」という期待が無意識に影響している可能性を否定することはできないのかもしれない。本人はゲームができなくても買ったはずだと考えていても、実際はそうではなかったのかもしれない。
Ｑ「そうでしょう。だとすれば、あなたは本当はゲームをしたいからPＣを買ったんじゃないんですか？」
Ａ「うーん、今までそんな風に考えたことはなかったけれど、よくよく考えてみればそうだったのかもしれませんね」
みたいな。
そんなことを考えていると夜も寝れなくなってしまう。
秀吉がなぜ大陸に侵攻したのかという件で、よく見かけるのが、日本が統一されて、武士の仕事がなくなったための雇用対策みたいな話。俺がネットをはじめた2001年頃には既にかなり唱えられていて、今でも必ずといっていいほど出てくる話。
確かにそういう面もあったのかもしれないとは思う。しかし、たとえそれが事実だったとしても、それで動機の説明として十分かといえば、そんなことはないだろうと思う。
私見では、それは上に書いた「パソコンを買えばゲームができる」的な意味での「動機」ではないかと思う。
それはともかく、このあたりのニュアンスを言語で説明するのって非常に難しいよねって思う。
