孫悟空の頭の輪

はてなブックマークで見つけた記事
孫悟空の頭の輪は避妊具だった

日付が無いのでいつ書かれた記事かはわからない。otsune氏がブックマークしたのが人気記事になった理由だろう。

パキスタンの北西部から金の輪が見つかった。
研究者によるとこの金の輪は「緊箍(きんこ)」ではないかとの見解を強めている。これは出土した場所によるもので、パキスタンの北西部の古称は「ガンダーラ」と呼ばれていたからだ。

「緊箍(きんこ)」というのは三蔵法師孫悟空の頭に装着したもので、呪文により頭がグイグイ締め付けられるという代物。ところが出土した金の輪は頭に付けるには大きさが小さすぎるのだ。研究者はそれを次のように語った。

「緊箍(きんこ)」というのは三蔵法師孫悟空の頭に装着したもので、呪文により頭がグイグイ締め付けられるという代物。ところが出土した金の輪は頭に付けるには大きさが小さすぎるのだ。研究者はそれを次のように語った。

(以下略)


「緊箍」が避妊具だというのは、激しく眉唾だけれど、面白そうなんでちょっと調べてみた。

それを菩薩が謹んで受け取ると、如来はまた三つの輪を取り出して、菩薩に渡し、
「これは緊箍という宝だ。三つとも見たところ同じだが、使い道がちがう。わたしには、『金・緊・禁』という三つの呪文がある。もしも途中で神通広大な妖魔に出会ったら、そなたは、その者に、勧めるがよい。ちゃんと教えを学んで、お経を取りに来る人の弟子になるように、とな。その者がもし言いつけに従わぬようなら、この輪をその者の頭にのせてやるのだ。そうすれば肉にくい込んで、根が生える。そこで使い道に応じた呪文をとなえれば、目がはれあがり、頭が痛くなり、額が裂けて、その者をわが仏門にはいらせることになるであろう」
西遊記(一)』(小野忍訳 岩波文庫 P209)

西遊記〈1〉 (1977年) (岩波文庫)

西遊記〈1〉 (1977年) (岩波文庫)


そんなわけで、孫悟空に使われたのが「緊箍呪」

^ 最初の脱走の際に、以後の脱走を防ぐ抑止力として頭にはめられたのが「緊箍児」(きんこじ、別称「金剛圏」)と呼ばれる輪っかである。これは「緊箍呪」という呪文をとなえることで輪が収縮し、頭が締めつけられるというものである。しかしこの後に三蔵法師は緊箍児によって直接的に脱走をふせごうとすることはほとんどなかった

孫悟空 - Wikipedia


「金箍」紅孩児

孫悟空を一度仮死させたが観世音菩薩に頭、両手、両足に金箍をはめられ取り押さえられ、改心した。

紅孩児 - Wikipedia


「禁箍」は黒風怪に使われた。


〈※『西遊記』は(一)しか読んでないのでネットで確認したんだけど〉、



ところで、『西遊記』には、これとは別に「金箍」が登場する。

そのとき、この宝ものは、長さが二丈余り、太さは一斗枡ばかりあった。わしはそれをつかんで、大きすぎるなと思った。すると、そのとたん、だいぶ小さくなった。もっと小さくしようとしたら、まただいぶ小さくなった。もっと小さくしようとしたら、まただいぶ小さくなった。急いで日の光に照らして、見てみると、上に『如意金箍棒、一万三千五百斤』という一行の文字があった。
西遊記(一)』(小野忍訳 岩波文庫 P80)

西遊記の主人公孫悟空が使う、両端に金色の輪がはめられた神珍鐵の棒。如意金箍棒(にょいきんこぼう)重さは一万三千五百斤(約8トン)という銘がある。

持ち主の意に従い(=如意)自在に伸縮し、普段孫悟空はマッチ棒ほどの大きさに縮めた如意金箍棒を耳の中にしまって携帯している。それを一丈二尺でお椀ほどの太さで使用している。最大の大きさは上が三十三天(とう利天)、下は18層地獄までになった。

もとは黄河の治水に功を残した禹が江海を深さを測定した際のおもりという。 その後、東海竜王敖廣の竜宮の地下の蔵に「海の重り」として置いてあった物だが、孫悟空竜王から奪い、以降武器として使い続けた。

如意棒 - Wikipedia


「如意棒」の正式名称が「如意金箍棒」で、その名の由来は「両端に金色の輪がはめられた神珍鐵の棒」だからなのだろう。すなわち「金色の輪」が「金箍」なのだろう。


如意棒が伸縮自在なのはよく知られていること。だとしたら「金箍」(「緊箍」)も伸縮自在なんだろうから、「小さすぎる」ということは無いのではないかと思ったりする。


(というか「金箍」はただの飾りではなくて、金箍が伸縮自在であるからこそ如意棒が伸縮自在なのかもしれない)


この件、面白そうだから、もっと調べてみるつもり。