内田樹先生と占い師の共通点

はてなブックマーク - 内田 樹 「腐ったマスメディアの方程式」 君たちは自滅していくだろう | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]


大人気ですね。批判コメントもあるけれど、肯定的なコメントが圧倒的に多い。


俺がこれ見て思うのは「占い師はなぜ当たるのか」って話ですね。いいテキストが見つからないので、ざっと要約を書けば、


占い師が相手に「あなたは何か悩み事があるのですね」という。言われた方は「なぜ当たったんだ」と驚く。しかし占いしてもらおうとする人は何か悩み事があるから占ってもらおうとしているのであるので、高確率で当たるのは当然なんである。そして占い師は言葉巧みに相手の悩みを聞きだして「あなたはどんな性格だ」とか何とか言い当てるのだけれども、それは実のところ自分が占い師に告白したことなのだ。


というようなこと。


内田先生の主張が当たっているように思えるのは、新視点で語っているからではない。内田先生は今までさんざん言われてきたことを語っているだけであり、既に読者にそれがインプットされて内面に強固に根を張っていたからである(この程度のことならそこらのブロガーに聞いても同じような答をすることは可能なのである)。既にインプットされていたことを、内田先生という「偉い学者先生」が語ることによって、自己の「信念」が他者に認められたという喜びが、これほどまでの「共感」を産んだのである。


それが本当に真の理由かどうかなんてことは実のところ関係ないのだ。


まあ、これからマスメディアが生き残っていくための一つの手段として、こうした「共感」を得ることが必要なんだってことの実証にはなるのかもしれないけどね。