前見たときは好意的な書評が多かったように感じたのだが、今見るとそうでもない。
Amazonのレビュー
⇒Amazon.co.jp: 「神道」の虚像と実像 (講談社現代新書): 井上 寛司: 本
「空満」氏の
著者の「神道論」批判は、教義のイデオロギー性を重視するあまり、神祇信仰そのものを過小評価する弊を犯しているように感じる。
という評価と、「mfhty」氏の
結局、この本は、公家や思想家などインテリの文章から、神道をみているだけであり、神道が民衆の中でどんな位置を占めてきたかという面の考察に欠けると思いました。
という評価は、まだチラ見しただけの俺も大いに感じるところ。
このような指摘が誤りだとは思わない。しかし、そもそも柳田国男は、常民の生活=生産に係る儀礼(とりわけ農耕儀礼)、通過儀礼、共同体の統治等の儀礼として執り行われてきたカミ送り、カミ迎えの祭祀に代表される信仰を「神道」と呼んだにすぎない。だから、シントウ、ジンドウというと発音の問題は、柳田国男の認識の外側であろう。
という指摘にもうなずける。
この手の「創られた伝統」論はインテリ層に受け入れられやすい(聖徳太子非実在説とかも)ように俺は思っているけれど、冷静に判断をしている人も多い模様。