天孫降臨神話の真実(その4)

天孫降臨神話の真実(その3)のつづき


イザナギイザナミ神話」と「天孫降臨神話」は別系統の神話だという見解がある。『アマテラスの誕生』(溝口睦子 岩波新書)でも

この二つの神話体系は、下巻のはじめに置かれた「国譲り神話」によって結びつけられて、ひとつながりの物語になっている。しかしもともとこの二つは、それぞれ別個に、関係なくつくられた独立した神話だった。

と書かれている。


そうではない。『旧約聖書』「創世記」と『書紀』一書(第一)を比較して得られた結論は、イザナギイザナミ神話」と「天孫降臨神話」は一貫した一つの神話だということだ。


創世記型神話の源流を遡れば二つの神話が一つになった可能性はあるかもしれない。しかし、日本列島に到来した創世記型神話は既に一つのものになっていたはずだ。そうではなく日本列島において統合されたのだというのなら、それは「創世記」のルーツは日本列島にあるという超古代史を唱えているのも同然である。


日本創生神話は創世記型神話を柱として、その上にいわゆる「南方系」などと呼ばれるような異種の神話を取り入れたものだ(ただし逆に「創世記」の方にそれらの神話要素が抜け落ちているという場合もあるかもしれないが細かい検証はまだしていない)。


これは、どう考えたってそうとしか考えられない明白な事実だ


これに気付いていない(否定しているのかもしれないが)現在の神話・歴史学はガラクタ同然であるといっても差し支えない。


(とはいっても俺も3日前に気付いたのだが)


(つづく)