警戒すべきは後継者の通過儀礼

北朝鮮崩壊のシナリオみたいな話題をちょくちょく見かける。


しかし、実際のところ崩壊する可能性は現状ではほとんどないだろう。民衆が蜂起する可能性などゼロに近いし、内部闘争が起きたとしても周辺諸国が本音では体制崩壊を望んでいないから、どこかに肩入れして速やかに収束させるよう手を打つだろう。現後継者の突然の病気引退なんてことはあるかもしれないけれど、体制が崩壊するようなことはないだろう。


変化があるとすれば、たとえば政府が統制不可能な情報技術が開発されるとか、北朝鮮内で鉱物資源等が発見されて最貧国から脱却するとか、周辺国の力関係がとてつもなく大きく変化するとか、今のところ予測できない事態になった場合ぐらいしか思いつかない。


もちろん何が起こるかわからないから政府は対策を考えるべきではあるけれども。


それよりも当面警戒すべきは、後継者の「通過儀礼」だろう。金正恩はまだ若く実績もほとんど無いと考えられる。リーダーになるためには武勇伝の一つや二つ必要になってくるのではあるまいか?


内部をまとめるための手っ取り早い方法は外部の敵と戦うことだ。本気で戦争をすることはないだろうが、韓国への砲撃や日本海へのミサイル発射、テロなどは、経済制裁などよりも内部の統制を重視するであろうかの国のことだから十分考えられるだろう。