日本終了のお知らせ

平均のつづき。


第1ステージ1-1の問題はこれ

1-1 ある中学校の三年生の生徒 100 人の身長を測り、その平均を計算すると 163.5 cm になりました。この結果から確実に正しいと言えることには○を、そうでないものには×を、左側の空欄に記入してください。

(1) 身長が 163.5 cm よりも高い生徒と低い生徒は、それぞれ 50人ずついる。

(2) 100人の生徒全員の身長をたすと、163.5 cm×100 = 16350 cm になる。

(3) 身長を 10 cm ごとに「130 cm 以上で 140 cm 未満の生徒」「140 cm 以上で 150 cm 未満の生徒」・・・というように区分けすると、「160 cm 以上で170 cm 未満の生徒」が最も多い。


マジメな子ほどひっかかりそうな「大学生数学基本調査 調査票」の設問 - あらきけいすけの雑記帳

問題文にご丁寧に「163.5 cm×100 = 16350 cm」と記述されている以上、少なくとも国公立偏差値最上位レベル大学の理系の学生でこれに×を付けない学生がいたら、そっちの方が大問題だろうと思う。

岡山理科大学 准教授のあらきけいすけ氏によれば、(2)に×を付けない学生(=○をつけた学生=「正答」した学生)がいたら大問題なんだそうだ。


その大問題の学生は調査結果によると「旧帝大など国立の最難関大」(国S=具体的には東大・京大・大阪大・名古屋大・神戸大・九州大・東京工業大・一橋大など)の学生の実に94.8%。また理工系全体の正答率は82.0%。逆に言えば問題の無い学生は国Sの大学生の5.2%、理工系全体では18.0%の学生だけしかいないことになる。それも「大問題」のない学生という意味だ。問題のない学生となるとどれだけいるのか考えるだけで恐ろしい。


読売新聞などのマスコミは

大学生の24%が「平均」の意味を正しく理解していないなど、基礎的な数学力、論理力に大きな課題があることが、日本数学会(理事長・宮岡洋一東京大教授)が実施した初の「大学生数学基本調査」で明らかになった。

「平均」の意味、大学生の24%が理解せず : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
というように、たった24%の学生が平均を理解していない(あらき先生によれば理解していないのではないということになるが)などと大騒ぎしているが(あらき先生によれば)それどころではないようだ。一流大学と呼ばれる大学の学生の大半が大問題を抱えているのだから。


もうこれは日本終了といってもいいのではなかろうか?


しかし僅かな希望はある。なぜなら難関大の学生と比べて偏差値の低い大学の学生の正答率は低いのだ。すなわち(2)の問題に×をつけた学生が多かったということが推測できる。もちろん問題を理解せずにヤマカンで×をつけた学生もいただろうが、そうではない学生も相当いたのであろう。これは今後の日本の教育改革を考えるための貴重な材料になるのはもちろん、官庁や会社の採用担当者が本当はどの大学の学生を積極的に採用すべきかの指針にもなるであろう。