だめな「ニセ科学批判」の典型例
タイトルには「ニセ科学」と書いたけれど、そもそもこれは「ニセ科学」ではないでしょう。
もっとも、今のところ、
⇒はてなブックマーク - 世の中変わった人はまだまだいるようで - 今日も得る物なし
に「ニセ科学」の文字は一件のみ。ただし「トンデモ」という言葉は40件のコメントのうち5件にある。
4M-1が発がん性物質だということは否定されてないんですよね。その4M-1がコーラに含まれている。それを指摘することのどこがトンデモだというのだろうか?
もちろん大量に摂取しなければ問題ないとされているのだから、ことさらに大騒ぎすることではないという考え方はできる。俺もそう思う。
しかし、それを問題視したら即ニセ科学、即トンデモになるというものじゃないでしょう。「コーラを飲むと死にます」とか言ってるんなら別だけど。
カリフォルニアで州では製法を変えて4M-1の含有量を減らした。減らしたのであってゼロになったわけではない。それを評価しているのだから、いわゆる「ゼロリスク信仰」でもない。
それを言うなら放射線の安全基準だってそうでしょう。
まず、一般の人が浴びても差し支えないとされる1年間の被ばくの基準は、1ミリシーベルトです。
これは、世界の放射線医学などの研究者でつくるICRP=国際放射線防護委員会の勧告に基づいて日本が採用しているものです。
一方で放射線は実際には100ミリシーベルトを超えなければ「健康への影響は確認できない」とされています。(「影響は無い」ではないのでご注意ください。)
ではなぜ専門家集団のICRPが年間1ミリシーベルトに設定したのでしょう。そこには、「放射線は浴びないのに越したことはない」という発想があります。
⇒NHK「かぶん」ブログ:NHK | 解説コーナー | 【解説・被ばく限度は1ミリ?20ミリ?100ミリ?】
「放射線は浴びないのに越したことはない」という発想
「取らなくても良いリスクは取るべきではない」つうことですよ。
いくら大丈夫だといったって、コーラから発がん性物質を取り除けるなら取り除いた方がいいでしょう。
もちろん、味やコストなどに影響があるとしたら、そこまでする必要はないという意見など、様々な意見があるはずだ。俺も「食品と暮らしの安全」の意見に同意するというわけではない。
しかし「トンデモ」は明らかに言いすぎだ。むしろそういうレッテルを貼るほうが「トンデモ」なんじゃないかとすら思えてくる。さらに上の記事に書いたような的外れの批判に無条件に賛意を示すようじゃ害の方が大きい。
今のところブックマークしている人にnovtan氏(この人にも最近がっかりした)以外に、俺が知ってるような有名人が少ないのが救いか。
ニセ科学批判の有名人がこれからどんな反応を示すのか(示さないかもしれないが)に注目。
(小若順一という人はこれ以外のことでやらかしているのかもしれませんけどね。俺が言ってるのはあくまでコーラの問題についてですよ。そこのところ誤解なきよう)