嫦娥故郷に帰る

さらに調べると嫦娥が故郷に逃げ帰るという神話はあるそうだ。ただし故郷は月ではないし、『淮南子』の神話とも少なくとも表面的には全く別の話ではある。


嫦娥は複数人夫を持っていてたのでしょうか | 考古学のQ&A【OKWave】
によれば、帝喾が嫦娥を連れ去り第四妃とした。その時すでに嫦娥羿の子を身ごもっていた。この子が帝位を継いだ摯である。嫦娥は故郷忘れがたく逃げ帰った。という話があるそうだ。
嚳 - Wikipedia
摯 - Wikipedia


もちろん、この話が本来は羽衣伝説のように天女を略奪して子ができた後に天女が天に帰るという話だった可能性はあるし、おそらくそうだったのではないかとは思われる。


しかしそうだったとしても、それと『淮南子』の神話とが直接結びつくかというと、同じ根っ子から派生したものである可能性があるとはいえ、もはや別の話になってしまっていると思わざるをえない。『淮南子』の神話では月は故郷ではなく、追っ手がこない遠く離れた地という設定になっていると思う。