都議会ヤジについて

塩村あやか議員に浴びせられたヤジは「結婚したほうがいいんじゃないか」については比較的明瞭だが、最初の言葉が「早く」だったのか「自分が」だったのかはよく聞き取れない。一部にはそのどちらでもなくて「みんなが」だったという意見もある。
都議会「野次」は「お前が結婚しろ」だったのか(不破雷蔵) - 個人 - Yahoo!ニュース


ちなみに、みんなの党が入手した音声データによると「早く結婚した方がいいんじゃないか」だそうだ。
都議会ヤジ:1人分特定可能か 「みんな」音声データ入手 - 毎日新聞


このヤジが浴びせられたのがどういうタイミングだったかというと

 続きまして、女性のサポート、子育て支援についてお伺いをいたします。
 東京の女性は他の都市よりも晩婚、晩産です。
 都道府県別の第一子出産時の母の平均年齢は、東京都がズバ抜けて高く、32歳近いことが分かっており、高齢出産や不妊治療を受ける女性が増加しています。

 東京は都会であるがゆえに周囲との関係性が希薄で、女性が妊娠、出産、育児に関わる悩みを一人で抱えてしまうという弊害があります。
 こうした問題を抱える女性たちのサポートを、東京都は積極的に進めていくべきで、特に周囲に相談できる人がいない妊婦さんを支える仕組みはとても重要であり、私も所属する厚生委員会で、この件に関する充実をお願いしてきました。

塩村あやか議員の質問(野次られた部分)書き起こし - weemo*
というところでなされたものである。ここで、「…結婚した方がいいんじゃないか」というヤジが飛んだのだ。


「方がいいんじゃないか」という言い方は、発言内容に関係なくなされたもの、たとえば「ハゲ」とか「チビ」とかいった中傷と同じニュアンスで未婚の塩村議員に対する中傷としてなされたものではなく、塩村議員の発言内容に対応してなされたものだと考えるのが自然だろう。すなわち「東京の女性は他の都市よりも晩婚、晩産です」ということに対するものであろうと考えられる。


塩村議員も「政策に対してのヤジは受けますが、悩んでる女性に対して言っていいとは思えないです」とツイートしている。
https://twitter.com/shiomura/statuses/479237918519590913



したがって、ヤジが仮に「みんなが結婚した方がいいんじゃないか」だったとしても「悩んでる女性」というのは塩村議員のことではないので、「自分自身への当てつけとしての中傷に聞こえてしまったのかもしれない」という不破雷蔵という人の認識はおかしい。ついでに

「地域全体で妊婦を支えていかねばならない」に対し、「みんなが結婚すれば孤立化リスクも低減できる」「しかしそもそも論として結婚しない人が増えているから問題なのであり、それを話しあっているのに」という前提論としてのツッコミ的な意味の野次として「みんなが結婚した方がいいんじゃないか」という声が投げかけられたように見えてくる

というのも、まったく意味不明のツッコミであり、「東京は都会であるがゆえに周囲との関係性が希薄で」と言っているのをなぜか結婚しないから孤立化しているというように捉えている。


しかしそういう意味ではなくて、そもそもこれは2つの問題、1つは晩婚化による問題、もう1つは妊娠、出産、育児に関して相談できる相手がいない、すなわち出産・子育ての経験がある親戚や知人などが近くにいないという問題があるという話をしているのでしょう。つまり、後者は早く結婚すれば解決する問題ではないのである。



※ なお、ヤジには「まずは自分が産めよ」「産めないのか」というのもあったという情報もあるが、みんなの党の入手した音声データでは声が重なるなどして聞き取りにくいという。そういうヤジがあったたとしたら塩村議員の発言内容とまるでかみ合っていない意味不明のものではある。