都議会ヤジについて(その8)

朝日新聞が新たな燃料を投下した
塩村都議の質問とヤジ、音声分析の結果は:朝日新聞デジタル
はてなブックマーク - 塩村都議の質問とヤジ、音声分析の結果は:朝日新聞デジタル


さて、ここに書かれているヤジの中で明らかに差別発言なのはどれだろうか?

塩村都議:また、不妊の原因は女性だけではなく

男性の声:やる気があればできる

ブックマークの反応を見ると、これがもっとも槍玉に上がっている。


不妊はやる気があれば克服可能だ」という意味で受け取られているのだろう。



だが、リテラシー能力の高い皆様におかれましては既にお気付きかと思われますが、塩村議員はその前に

塩村都議:悩みを抱える女性たちの問題に対し(中略)具体的な取り組みをお願いいたします。

と発言しているのでありまして、
「やる気があればできる」が「不妊の原因」に対応しているものだとは限らないのであります。


すなわちその部分は

塩村都議:悩みを抱える女性たちの問題に対し(中略)具体的な取り組みをお願いいたします。

男性の声:いやー、先生の努力次第

塩村都議:また、不妊の原因は女性だけではなく

男性の声:やる気があればできる

となっているのでありまして、「いやー、先生の努力次第」というのも、これまた「塩村議員の結婚または出産が塩村議員の努力次第」という解釈も可能かとは思いますが、


「悩みを抱える女性たちの問題への東京都庁の取り組みは塩村先生の努力次第」
という意味であるかもしれず、また


「やる気があればできる」というのは、
「塩村議員にやる気があれば都庁も真剣に取り組む」
または
「都庁にやる気があれば女性へのサポートは可能」
という意味であるかもしれないのであります。


また

鈴木章浩都議の声:早く結婚した方がいいんじゃないか

男性の声:自分が産んでから

男性の声:がんばれよ

のうち、「がんばれよ」に関しては、「結婚・出産をがんばれよ」という意味で受け取れる可能性もあるけれども、その前のヤジに動揺した塩村議員に対して
「がんばって発言を続けなさい」
という意味で言っている可能性も否定できないのではないかと思うのであります。


もちろんそうではなくて差別的なヤジであった可能性もあるわけだけれど、ここは落ち着いて冷静に考える必要があるだろう。



というわけで、現時点では鈴木議員の発言の他で、明らかに不適切な発言は「自分が産んでから」だということになろう。


※ なお既に書いたように、そもそも「自分が産んでから」というのはセクハラだというだけでなく、塩村議員の発言内容と全く噛み合っていないのである。


※ ところで、NHKのニュースで見たところでは正確な発言は覚えていないけれど「独身なんだって」という趣旨の音声がはっきり聞こえていた。朝日の記事ではそれは取り上げられていない。