STAP論文騒動のよくわからないこと(その14)

笹井芳樹氏が自殺した。再三書いているように笹井氏は「ES細胞混入では説明できない」という趣旨の発言をしており、その発言がある限りはSTAP細胞の存在可能性を簡単に否定できるものではなかった。その笹井氏が自殺した理由は不明ではあるものの、故意か過失かはともかく過ちを犯してしまったことを認めたという可能性が高いだろう。これによりSTAP細胞の存在可能性は格段に低下したと考えてよい。


ところでこの騒動が発生したときに自殺を一番心配されたのは小保方氏であり、事実入院もしている。ネットではそんなことはお構いなしに激しい攻撃がなされたが、彼女の周囲においては扱いはデリケートになされていたものと思われる。


一方、論文問題は彼女だけの問題とは到底考えられず、特に笹井氏に対する疑惑は当初からあった。またそれほどではないにしても若山氏の関与も疑われた。このうち若山氏は6月に記者会見を行い自分に対する疑惑を解消しようとする姿勢が見えたのに対して、笹井氏は4月に記者会見を行って以降の動向がよくわからない。


笹井氏と若山氏の立場は対立しており、若山氏が潔白を主張すれば笹井氏の疑惑が拡大するという関係にあったように俺にはみえるけれど、笹井氏による反論の記者会見等は行われなかった。これはつまり追い込まれていたということだろう。笹井氏の自殺の徴候はわからなかったのだろうか。


キーパーソンであるはずの笹井氏の近況があまり表に出てこなかったということ自体が俺にとっては「よくわからないこと」のひとつである。