AERAの信じがたい暴挙

 記者に聞こえないところでは、暴言を吐く警官や海上保安官もいるという。

「お前は犯罪者だ」「それでも日本人か」

 拘束され、「ブタ1名確保」と言われたとの訴えさえあった。

「ブタ1名確保」「お前は犯罪者」辺野古でエスカレートする機動隊らの言動 〈AERA〉|dot.ドット 朝日新聞出版


記者に聞こえないところでは


つまり記者は聞いてないのだ。


聞いていなければ記事にできないというわけではない。しかし俺は新聞記者ではないけれども、新聞記者が情報の信頼性を確保するためにやらなければならないことというの何度か目にしたことはある。で、

  • 当然だが真偽の確認をする。証拠があるか調べる。警官か警察に問い合わせて事実確認もするべきだろう。
  • それらで確証が持てない場合は報じるべきではないが、特に重要だと判断するならば、情報源を明らかにする。実名が原則
  • 実名を明かせないのなら報じるべきではないが、内部告発など実名を明かすと情報提供者に不利な事態が生じる可能性がある場合などの事情がある場合は、匿名でも報じる価値があるものか十分に考慮した上で、慎重に報じる

みたいなことだったと記憶している。信頼性の確保は新聞記者にとって最重要な「イロハのイ」であろう。


で、上の記事を見てみれば、その音声を記録したものはないのだと思われる。しかし誰もが録音機器を保有しているはずもなくそれは仕方がない。しかし「ブタ1名確保」は誰が聞いたものなのか名前を記さないのは信頼性を大きく損なっている。これは内部告発ではなく常識的に考えて名前を出しても問題ないケースであろう。これだけでは本当にその「訴えた人」がいるのかすら疑わしいではないか。


また「ブタ1名確保」と言われたときに周囲に人はいなかったのだろうか?「同志」がいれば彼も聞いた可能性がある。どういう状況だったのかの説明が極めて粗い。そして(否定するだろうと十分予測できるけれども)警察にも確認すべきである。


そういった事実確認を十分にやった上で、それでもなお記事にすべきことだと考えるならば、慎重な上にも慎重な配慮をした記事を書くべきであろう。


もちろんAERAは新聞ではない。新聞ではないけれども朝日新聞という大手新聞社が発行する雑誌であり責任は重い。芸能人のゴシップやオカルト情報を扱うスポーツ紙とは違うだろう。


こんなに根拠薄弱な記事を書いて対立を煽るような行為は、良識的な人間ならば政治的な立位置が何かにかかわらず強く抗議すべきである


21世紀の日本においてこんなことが起きてしまったということが現実のことだとは思えない。思えないけれど本当に起きてしまったのだ。俺はいわゆるリベラルじゃないけれど、自分と異なる立場の陣営にいるものがヘマしたからと喜べるものではない。あってはならないことが起きてしまったとすごく情けなく思っている。


確かにこういったことはネットの世界では日常茶飯事のように起きている。しかしAERAがそんなことをやるなんて…


これはものすごく危険なことだ。そしてもの凄く危険なことだというのは少し考えればわかることだ。この手法を誰もが使いだしたらどうなるだろうか?この手法を使えるのは自分の仲間だけではないのだ。タガが外れれば誰でも簡単にできることだ。少数民族やマイノリティーに対しても使える。というか関東大震災時における流言による殺傷事件という有名な実例があるではないか。


素人がやっても批判されるべきことをAERAがやっている。これは本当に深刻な事態である。