スカラー波

真夜中なのにブログ更新。これを書かなきゃ眠れない。


「Wikipedia」のウソに著名人からの声が続々、本当に信用できるのか。 | Narinari.com

早稲田大学名誉教授の大槻義彦氏は、3月17日付けの公式ブログのエントリー「ウィキペディアのでたらめ」で「Wikipedia」を批判。白装束教団パナウェーブの「スカラー電磁波」に対する解釈で、大槻氏の発言が歪曲された状態で掲載されており、「とくに『発言』の項目がでたらめです」と注意を促している。そして「明らかにオカルト、あるいはオカルトモドキの連中によって勝手に編集され、目を覆うばかりの文章になっている」と怒り心頭だ。


大槻義彦のページ ―大槻義彦公式ブログ― powered by ココログ: 【ウィキペディアのでたらめ】

この記述では私の発言を歪曲している(か、または理解困難だったのだ)。
実際に私の発言は次のようなものだった。
『物理学のどこを探してもスカラー電磁波などは存在しない。しいて言えば静電気の類ということになる。』
量子電磁気学では電磁場は4次元成分の光子場であり、このうちエネルギーと運動量が移送される電磁波は3次元のベクトル場である。一方4次元目の光子に対応するのが静電気であり、これはスカラー場となる。(例えば拙著『物理学総論─電磁気学』学術図書)
もちろんウィキペディアの書き換えをやったオカルトはこのような物理学の背景があることなどまったく理解していないのだ。


この件については非常に良く覚えている。


学習院大学理学部物理学科の田崎晴明氏は当時こう書いた。

妻が台所で聞いているラジオから(もと早稲田の)大槻先生の声が。

「ス カ ラ ー 電 磁 波というのは、いったい何なのでしょう?」と尋ねるアナウンサー。ついさっき前野さんの日記のつっこみを読んだところだったので、なんとお答えになるかと思ったら、(前野さんのおっしゃるのと変わらず)「要するに、静電気のことでなんですよ」であった。

これは、前野さんのいうとおり、ちと、まずいぞよ。「電磁気関連で俺の知っているスカラー量は電荷だけだ、だから、ス カ ラ ー 電 磁 波とは電荷に関わるものでしかあり得ない、そんな波はないぞ」といっているわけだから、まったく相手の言い分への批判にはなっていない。いわゆる一つの既存のパラダイムの内側で安直に出した答えと思われてしまいかねない。

5/1/2003(木)


琉球大学理学部物質地球科学科講師の前野昌弘氏はこう書いた。

★パナウェーブ
 とか言う変な集団が「スカラー波で攻撃されている〜〜〜」とか言っているとかで、ニュース23で「スカラー波を検証する」なんてコーナーをやってた。スカラー波ってのは連中に言わすと、逆位相の電波を二つ重ね合わせると残るものである。もっともこのスカラー波うんぬんってのはかなり前からある超科学アイテムの一つで、別に連中の専売特許でもない。
 例によって大槻教授が出てきてコメントして「スカラー波ってあんた、それはただの静電気ですよ」みたいなことを言ってた。いやそれはだいぶ違うと思う。逆向きの電流が二つあっても静電場は発生しないからね。大槻さんはそういう事多いけど、今回もあまり相手の言うこと聞かずに反論しちゃってますな。

2003.4.30


ちなみに俺も当時テレビを見て、さらに「週刊ポスト」の記事を見て、素人ながら直感的に変な話だと思った。で、「望夢楼通信---トンデモ篇」という掲示板に疑問を書いた(2003/5/11)
。そこで上記の記事を見たというわけ。


なお「週刊ポスト」で氏は「広義には静電気のことです」と言っているはず。週刊誌を保存している図書館に行けば確認できると思うが、さすがにそこまでは面倒なのでやらない。


要するに、相手は「スカラー電磁波」について言っているのだから、批判は「スカラー電磁波」についてでなければならないのに、相手の言う「スカラー電磁波」ではない、自分で定義した「スカラー波」で語っちゃってるってことですよね。相手は「電磁波」だって言ってるのに。