昨日も書いたのだけど、ジェイコムの初値は、みずほ証券の売りによって、値段が付いたのか、それとも、それ以前のことだったのか?それがわからない。もちろんこんなことは秘密でもなんでもないはずです。デイトレーダーで現場を見ていた人ならわかっているでしょう。しかし俺にはわからない。なぜなら報道がどっちとも受け取れるような書き方しかしていないからです。
同社の売り出し価格は61万円で、初値は67万2000円。関係者によると、ある証券会社が1円で約60万株を売り出したところ、大半の売買が成立した。
これで、どっちだかわかりますか?
注文出した証券会社など詳細は聞いていない=誤発注問題でジェイコム社長(ロイター)
ジェイコムは、公開価格61万円を6万2000円上回る67万2000円で初値を付けたが、この際「60万円で1株売りのところを1円で60万株売りとする発注ミスがあった」(準大手証券エクイティ部)と観測されていた。
やっぱりわかりません。「この際」が「初値を付けた」にまでかかっているようにも見えますが、はっきりとしません。しかし、これらは当日の早い段階の報道なので仕方ないのかもしれません。
しかし日付が変わっても、
みずほ証が60万株誤発注=損失300億円にも−新規上場のジェイコム株売買(時事通信)
同社長によると、初めて売買が成立した午前9時27分ごろ、61万円で1株を売るところを1円で61万株売ると誤って入力。
みずほ証券、大量の誤発注 「1株61万円」→「61万株1円」(産経新聞)
このため、ジェイコム株は、初めて売買が成立した午前九時二十七分前後に大量の売り注文が確認され、
<ジェイコム株>単純ミスで大損失 東証「安全装置」なく(毎日新聞)
今回、8日午前9時に新規上場したジェイコム株は、同27分に初値67万2000円をつけた。同じころ、みずほ証券は顧客から「ジェイコム株を61万円で1株売り」の注文を受けたが、
これでわかりますか?産経新聞は「前後」と書いてます。「前」か「後」か?それが肝心なのに。しかしこの3つの記事はそっくりですね。おそらく「時事通信」の記事をベースにして書いたのでしょう。産経はそこに疑問を持ったので「前後」と書いたのかもしれません。毎日は「同じころ」と適当にごまかしています。どちらにしろ、なぜ調べないのでしょう?関係者じゃないから断定はできないけど、このくらいは調べればわかることなんじゃないかと思うのですけどね。
ところで「ラジオNIKKEI」の記事は、これを考えるヒントになりそうなことが書いてあります。
ジェイコム岡本社長「誤発注は大変遺憾」
岡本 朝方から買い気配が切り上がっていく中で、突然値段が付いた。主幹事証券や東証からは「一部の証券会社から入力間違いによって大量の売り物が出た」との話を聞いている。
これを読めば「大量の売り物が出た」ので「突然値段が付いた」と受け取れます。昨日も書きましたが、9時27分という段階で新規上場株の初値が付くというのは、早いような気がします。しかしそういうことも珍しいというわけでもないので、はっきりとしません。
この件に関してブログ界では、「にっけいしんぶん新聞」の記事が、
みずほ証券、大量発注ミス −その1(なんだったのか)−
公募価格61万円からスタートしたジェイコム株は順調に買い気配を上げ、寄り付かないまま672000円まで買い気配を上げていましたが、ここでみずほ証券が1円で61万株の売りの誤発注があり、このため672000円で寄り付きました。
そして残りの約60万株の1円売り注文のためにあっというまに株価は下がり、672000円からの制限値幅10万円が適用された572000円のストップ安売り気配(売り注文が多くて取引が成立しない状態)になってしまいまいた。
と、みずほ証券の売りで寄り付いたと書いています。
一方、「木走日記」は、
毎分30億円というとんでもない損失をくらったみずほ証券
8日午前9時に新規上場したジェイコム株は、同27分に初値67万2000円をつけます。
と書きます。ちょっと微妙ですけど、寄り付き後の注文であるかのように見えます。
真相はどっちなんでしょう?一応今まで見た感じでは、みずほ証券の売りで寄り付いたというほうが、分があるように思います。
(12/11追記:板情報を見ると、みずほ証券の売りで寄り付いたとみてよさそうです。)