サヨク認定したのは誰?

Apes! Not Monkeys!  「ブログに群がる「ネット右翼」」http://homepage.mac.com/biogon_21/iblog/B1604743443/C1534355107/E20060505235655/index.html


このエントリーをブックマークして、

「一見、小倉弁護士を弁護しているようだけど、よく読むと小倉弁護士を「ネットサヨク」と認定しちゃってますよ。」

って、コメント書いておいたんだけど、さっき見たら、エントリーのブックマーク数が増えているんで、読み返していたら、コメント欄にこれについての言及があることに気付いた。


本当は、もっと早くこの件について自分ところで、書こうと思っていたんだけど、他にも書くことがいっぱいあったんで、今まで先延ばしにしてしまっていました。メモ代わりの軽いコメントだったんだけど、あれじゃ説明不足ですよね。


まず、ここで問題になるのは、

「たかだか200や300の批判で黙られても困りますねえ。あれじゃあ、議論にならない」

という発言の「黙られても」というのは誰が黙ったということなのかということなんだけど、朝日の記事の文脈上、それは小倉弁護士のことだと思います。実際に小倉弁護士が黙ったのかは、ここでは問題ではありません。


で、エントリーには、

『だとしたら「たかだか200や300の批判で黙」るネットサヨクを笑えないよね?』

ということが書いてある。文脈から言えば、「ネットサヨク」とは、小倉弁護士か、あるいは小倉弁護士を含む、「ブログ炎上で被害に遭った人達」のことだと理解しました。


そもそも、「たかだか200や300の批判で黙られても困りますねえ。」と言っているのは「30代半ば無職男性」であって、(ちなみに笑ったとは書いてないけど)、彼が「自由に語れる場がなく窮屈な思いをしてきた。」のかはわかりません。
逆もまた然り。というか、「30代大学教員」は、「炎上を眺めて」「ブログを一年前に閉鎖した」のであって、「たかだか200や300の批判で黙られても困りますねえ。」とは思っていなかった可能性が高いでしょう。


それはともかく、「ネットサヨク」の中に、小倉弁護士が含まれていると考えるのが、もし誤解だったとしても、それが俺の誤読だとはどうしても思えません。それで、小倉弁護士を「ネットサヨク」と認定しちゃってますよ。と書いたわけです。


さて、それがどういう意味かといえば、そもそも「ネットサヨク」なる用語が何を指すのか、明記してないので、不明ではありますけど、おそらく、上に書いたように、「ブログ炎上被害者」のことを指して使ったのではなかろうかと思われ、実際に左翼思想を持った者に限定しているわけではなくて、「ネット右翼」から見れば、左翼に見える人達(つまり攻撃対象)を指して、(「ネット右翼」に対して)皮肉を込めた用語ではなかろうかと思うわけです。
ですが、そこに「サヨク」の文字があるということは、その「ブログ炎上被害者」(つまり小倉弁護士)にとってみれば、心外なことなんじゃないかと思ったわけです。もし俺が同じ立場だったら、何勝手にレッテル貼りしているんだ、俺は左翼じゃないって思いますね。
ちなみに、小倉弁護士は、自分のことを左翼と呼ぶ人がいるが、知人に話したら笑っていた。みたいなことをどこかでおっしゃっていました。


と、ここまでが、俺のコメントの真意なわけですけど、ややこしいことに、ブログ主のApemanさんは、コメント欄で、

このエントリの後半は前々から書いていることをこの記事をダシにして繰り返したにすぎず、「ネットサヨク」云々は別に特定の誰かを念頭においていたわけではないのですが、それはそれとして「サヨク」認定されることがダメージであると考えている人が存在しており、しかし私が知るかぎりサヨクは「サヨク認定」されても別に怒ったり困惑したりしないことが圧倒的に多いので、左右でのこの非対称性はなにに由来するのであろうかとまたしても考えさせられます。

という反応を示されたわけです。まあ、俺の説明不足もありますけど、「特定の誰かを念頭においていたわけではない」と言われましても、何回読み返しても、その不特定の中に小倉弁護士が含まれているように読めます。そして、

サヨクは「サヨク認定」されても別に怒ったり困惑したりしないことが圧倒的に多い』

と、ここで、俺にとって非常に混乱することが書いてあります。なぜなら「サヨク認定」したのは、俺ではなくて、Apemanさんであり、小倉弁護士サヨクと認定しちゃったというのが俺の認識なんですから。

『「サヨク」認定されることがダメージであると考えている人が存在しており』

とあるけれど、サヨクは、「サヨク認定」されても怒らないのかもしれないけど、小倉弁護士は少なくとも御自身ではサヨクだとは思っていないはずであり、ダメージであると考えるかどうかは別にして、あまりいい気分じゃないと思ってはいるでしょう。しかし、「ネットサヨク」に小倉弁護士が含まれないのなら話は別です。だけど、本文中で、「たかだか200や300の批判で黙」ったことになっているのは小倉弁護士であってサヨクではない。サヨクで黙ってしまった人が実在するのだろうか?思い出そうとしても思い出せない。新聞記者や個人ブロガーがブログを閉じたのは知っているけど、彼らはサヨクだったのであろうか?そうかもしれないが、そうでないかもしれない。笑った人はどこにいて、誰を笑ったのだろうか?ああもうわけがわからない。


しかもさらにややこしいことに、当の小倉弁護士がコメントを寄せている。

サヨク」認定について言えば、私は、基本的人権の擁護を職責の柱の一つとする職業に就いているので、基本的人権の擁護を主張すると「サヨク」認定する人々から「サヨク」認定されるのは所詮回避しがたいため、今更気にしても仕方がないというのもありますし、思考の軸が右の方にずれている人々から「サヨク」認定されることを気にしてはやっていられないと言うこともあります。 

これは誰に対して言っているのだろうか?サヨク認定したApemanさんに対して、気にせず認定しちゃってくださいと言っているのだろうか?
Apemanさんは、そういう意味で「ネットサヨク」を使ったのではないと言う。だが俺もコメント欄で小倉弁護士サヨク認定などしていない。一体、小倉弁護士は何の話をしているのだろう?文脈に関係なく、自分がサヨク認定された話をしているのだろうか?そして、その後のコメント欄では、文脈と関係なく、「サヨク認定」という言葉だけが独り歩きしている。


「これはもはや、議論とはいえない」と感じる所存です。元々、議論じゃないのかもしれないけど。