落合信彦が有名人だということは昔から知っていた。ビールのCMにも出ていたし。だけど、ネットをはじめてから、昔、落合信彦にはまっていたなんてことが、しばしば書いてあるのを見て、かなり驚いた。「はまっていた」ということは、今はそうではないということだけど、それはどうやら、落合氏のメッキが剥がれて、熱が冷めてしまったということらしい。氏にはまらなかった俺にはどうもピンとこない。
ちなみに俺がはまっていたのは、フレデリック・フォーサイス。『悪魔の選択』が大ヒットしている頃。だけど単行本は高くて、こづかいでは買えず。『ジャッカルの日』が文庫本になっているのを知って、早速買って夢中になった。続いて『オデッサ・ファイル』『戦争の犬たち』『悪魔の選択』と、はまりまくり。元々スパイ映画好きだったし、冷戦の真最中だから、諜報戦争は生々しく迫ってくる。小説ではあっても、背景は事実に則しているようだし、当時の軍事問題・国際問題を理解する上にも役立った。「NSA」「MI6」とか「GRU」とか、「モサド」とかを知ったのは、この小説だし、「SAM」「AAM」とか、「チャフ」とか、「アクティブ・ソナー」とか、「アルファ・ブラボー・チャ−リー・デルタ」だとかの知識を得たのも、この小説だ。
それと、落合信彦と何の関係があるかっていうと、そうやってフォーサイスの小説にはまっていた頃、光文社から『諜報戦争 21世紀−生存の条件』っていう本が出た。そんでこれを当時の俺からすれば、ちょと高かったんだけど買ったというわけ。これがとても面白かった。フォーサイスの小説は活字しかないけど、これは図版が豊富で諸々のことが視覚化されている。
(詳細はこのページが詳しい)
http://www.geocities.co.jp/Bookend/3435/intelligencewar.htm
そんで、この本は翻訳本なんだけど、翻訳したのが落合信彦。この時初めて落合信彦という人に注目した。
注目していると、新聞、落合氏の本の広告が結構な頻度で載っている。それがかなり魅力的な広告。
「これは是非読まなければ」って思い、早速買うつもりで本屋に行って、どの本だったか忘れたけど、ちょっと立ち読みしてみた。
立ち読みだから、精読したわけではないけど、物足りない。
これは小説だ。小説としてはもしかしたら面白いかもしれない。だけど俺は、そういう意味の「小説」を読みたいのではない。フォーサイスの「小説」を読んでいる俺に、この本を買う価値があるのか?
「よーく考えよう、お金は大事だよ。」てなことで、買うのやめた。
それからも、新聞広告を見ると凄く魅力的なんだけど、本屋で見るとそうでもない。余裕があれば読んでみるのも悪くないかと思いながら、優先順位はかなり低く、いまだに読まずじまい。
で、読んでないから、落合氏が「トンデモ」なのか、噂に聞く断片的な情報だとどうも、そうらしいけど、自分の目で確認したわけではないのでわからない。そもそもわざわざ検証するほどの価値があるのか?なんて前は思ってたんだけど、そうではなく、かなり影響力のある人だったらしくてビックリ。(実のところ今でも半信半疑なんだけど。)