⇒不二家株を外資系証券が大量保有している件について
でのserenaさんのコメントによると、ゴールドマン・サックス・グループによる不二家株の持ち株比率が五・三二%から三・六二%に低下していることが二十二日に提出した大量保有報告書で明らかになったようです。ご指摘ありがとうございました。
5.32が3.62になったということは1.7パーセントの減少ということで、もうちょっと騒がれても良さそうなものだと思うが、そうなっているようには見えない。で、俺も騒がれているようには見えなかったから、そういうことがあったことを知りませんでした(さっきブログ検索したら、何件かのブログにそういうことが確かに書かれていたのだけど、見落としていました)。
というわけで、これはいったいどういうことなのかということを調べるために、「EDINET」(証券取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)を今回初めて使ってみる。こういうのがあることは前から知っていたけど、俺は別に投資家でもないし、何かインストールしなければならないので、面倒だから利用していなかった。
で、ゴールドマン・サックス証券等による、不二家株の株券保有割合は確かに3.62%に減っている。ただし、
株券又は投資証券等 6,487,000株
共同保有者間で引渡請求権等の権利が存在するものとして控除する株券等の数 1,913,000株
保有株券の数 4,574,000株
と書いてある。直近の報告では、株券又は投資証券等6,720,000株であったのだが、今回の報告では株券又は投資証券等 6,487,000株であり、差引233,000株しか減っていない。ところがそこから1,913,000株差し引かれている。この控除分が持ち株比率低下の最大の原因だ。
これが実は、「共同保有者間で引渡請求権等の権利が存在するものとして控除する株券等の数」であり、ゴールドマン・サックス証券が銀行・生保等から調達した計3,189,000株のうち、1,913,000株をGoldman Sachs Internationalに貸し出したということのようである。すなわち、6,487,000株の内訳には、同じ株が二重にカウントされているということだ。だから共同保有者の持ち株からそれを差し引いたのが、4,574,000株ということになる。
ところで、前回の報告では6,720,000株となっているが、実はこちらのほうは、重複分を差し引かれていない数字である。なぜ今回、差し引かれているのかといえば、それは、「制度の見直し」があって、今年1月1日から施行されたからであった。
⇒(参考)【制度見直し】保有株数における算出方法の是正(大量保有報告[Dataport])
ということのようです。以上。