空気を読む科学者の世界

だって「◯◯さんの言うことだから正しい」と思ってれば検証コストかからないじゃん。たまに間違ったりもするけどまあ軽く流しとけば? 険悪になるとコミュニケーションコスト高くなるし。間違って損害でても利益が上回ればOKでしょ? 世の中ギブ&テイクよ。恩売っとけば恩返しがあるしさー。世の中そんなんで回ってんのよ。

空気読みで成り立つ国では無用の論理弁証能力 - 狐の王国

こうしたいくつかのエピソードが示しているのは、非常に有能な科学者でもときには間違いを犯したり、誤った方向に導かれることがあるが、通常は専門家社会がきわめて速やかに、その時点で通用しているパラダイムのなかに含まれる説明を使って、研究の不十分さや欠点を突き止めてしまうということである。とくに改まって論文を撤回する手続きは必要ない。

(『きわどい科学』白揚社より引用)


んで世の中大半のことは「どうでもいい」事だったりするんだよね。グッドスピーカー症候群じゃ ないけど、こだわって考えなきゃいけないことなんて、実はほとんど無い。せいぜい自分の仕事に関係するところだけ真面目に考えときゃいいや、くらいの人が 多いんじゃないの。特に日本みたいな妙に高品質な製品が溢れてる国なら、そりゃ考えなくても充分満足いく生活が可能になるよな。

(狐の王国)

われわれはこれほど多くの雑誌をどのように追跡しつづけて、発見や技術の改良、自分のと近接する分野における進展を学んでいくのだろうか?おおよそのところでは、自分の関心にもっとも近いとわかっていたり、知りたいことが一番載っていそうなごく限られた雑誌に絞って、常に注意を向けているのである。何もかも読むわけにはいかないので、専門家仲間での噂や自分の経験であまり面白くないと思われるマイナーな雑誌については、あえて無視する危険を冒すのである。

われわれはわれわれの雑誌の編集者やレフェリーにきわめて重大な責任を託し、印刷に付される論文はどれも、たとえ重要なものでなくても間違ってはいないものとしているのである。それでもなお、とほうもない量の論文発表があるのだ。

(『きわどい科学』白揚社より引用)