世襲議員は誰が選ぶのか

世襲の法的規制は不要だが 政治資金の継承には課税すべき - 雑種路線でいこう


この記事とは直接の関係はないけれど、俺の考え。


国政選挙なんだから選ぶのは「国民」なんだけれど、実際には、世襲議員を選ぶのは「国民」というより、「地元の選挙民」なんだよなって思うんですよね。「国民」が彼を選んだのだから云々みたいな話を聞くことがあるけれど、その選挙区以外の人にとっては、選んだ覚えはないんですね。


ここで「国会」は何のためにあるのかってことが問題になると思うんですよね。「国民の代表」が「国益」を議論するためにある(トップダウン型)のか、それとも「地方の利益」を調整するためにある(ボトムアップ型)なのかってこと。日本の国会は両議院とも、その両方を兼ね備えていると思うんですね。それでいいのかっていう問題、それと両者を一人の議員が両立させることができるのかってことも問題。


参議院議員通常選挙 – Wikipedia
参議院の場合、比例代表制と選挙区制があって、比例代表制のほうは「国民」が選ぶといって間違いないだろうけれど、選挙区制の方は「地方」が選ぶ。ただし、この場合は「県単位」で、「県」は地方によって異なるけれど、歴史的にはそれほど統一性があるとはいえないところもある。「県益」を考えるって思考は希薄なんじゃないかと、少なくとも「地元の利益」ほどではないだろうと思う。よくわからんけど。県のなかで圧倒的に優勢な「地域」があると話は変わるかもしれない。


衆議院議員総選挙
衆議院は、小選挙区制と比例代表制小選挙区制の方はもろに「地元の利益」に関わってくる。比例代表制の方は、全国を11ブロックに分けているので「県益」ですらない。後者は将来の「道州制」と関わるかもしれない。


問題は「小選挙区」の方。「小選挙区制」がこの点で悪いとは思わない。

候補者と個人の癒着や地域エゴが露骨に国政の場に持ち込まれやすい、同じくらい力のある候補者が立つと場合によっては選挙違反がおきやすい、議員定数が多ければ選挙区の数が多くなり、一票の格差が発生しやすいなどの欠点がある。

小選挙区制 - Wikipedia
ってあるけれど、現状で「中選挙区制」だったら、中選挙区の中の町村単位での「地域エゴ」の戦いがさらに激化するんじゃなかろうか。


やっぱ問題は「国会」のあり方なんだと思う。トップダウン型にするべしって考えるなら、選挙区と選挙民の「癒着」はあってはならないと思う。考え方としては、全国区で決めるのが良いってことになるけれど、それはそれで、候補者と国民の距離が開きすぎるだろう。としたら、小選挙区で「国民」が「国益」を考えて投票するような制度にしなければならないと思う。


一方、地域の利益を国政に反映させるボトムアップ型であれば、現状でもいいのかもしれない。だけれど、そもそも国政レベルではなく、地方が国に頼ることなく独立性を持っていれば、その必要性が無くなることはないにしても、薄くなるのじゃないか。


なんてことを思うのだ。