東電病院の件(1)

何でこんなにねじくれた話になってしまったのだろうか?


ボタンのかけ違いは一度元に戻ってみる必要がある。


東京新聞:東電答弁うそ 猪瀬副知事が抗議:社会(TOKYO Web)
この記事に何と書いてあるのか素直に読まなければならない。


もちろん新聞記事が真実とは限らない。疑うことは大切だ。


だが最低でも一度は真実とみなして読む必要がある。その上で疑うべきところを疑うべきであって、最初から裏読みなどしていてはろくなことにならない。


まず、見出しに「東電答弁うそ」と書いてあるが、記事を見ても猪瀬副知事が「うそ」と発言したとは書いていない。確かに「猪瀬直樹Blog」を見ると「ウソ八百」と書いてあるが、これは「福島に医師を派遣している」という答弁に対して「福島に派遣しているのはいまは土日に1人だけではないか」という意味での「うそ」である。


東京新聞による「うそ」に該当するのは、

東電の山崎雅男副社長は「一般開放を検討したが、新宿区には大きな病院がいくつかあり、都から難しいと言われた。都の指示だ」と答弁。さらに、病院の医師が福島第一原発の現場に行き、作業員の医療支援に当たっていることを理由に継続保有することを決めたと説明した。

である。このうち「医療支援」については猪瀬氏は「うそ」と言っているが、「都の指示」について「うそ」と言ったという事実は確認できない。確認できないだけで記者に対して発言した可能性はあるとはいえ我々読者にはわからないことであり、この記事でわかるのは、東京新聞が「猪瀬氏が東電答弁をうそだとみなしている」と認識している』ということだけである。


なお産経新聞
「関係者専用」東電病院…「一般開放に難色」はウソ?+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
という記事を書いている。『「一般開放に難色」はウソ?』というのは「東電答弁はウソ?」という意味であり、この「ウソ?」は産経が「ウソ?」と言っているのであって、猪瀬氏が「ウソ?」と言ったということではない。


で、ここまでは前置きであって、書く必要はないかもしれないと思ったが、あまりにもおかしな理解がされているので書いておくことにする。


ここからが本題。


(つづく)